「お墓はいらない」と思う人の墓活!心から満足できる供養方法の選び方

この記事で解決できるお悩み
  • お墓(墓石)を立てなくてもいい?
  • 供養方法って、どんなものがあるの?
  • いくらかかるか目安を知りたい!

このような悩みを解決できる記事を書きました!

本業は総合病院(眼科)に勤務しています。医療系FPとして、過去に地方紙で3年間、コラムを連載した経験があります。

父がコロナに感染し、突然亡くなったのがきっかけとなり、終活の大切さを痛感。

がんサバイバーの母と終活をはじめるため、終活ガイド1級を取得しました。

今回は、終活で「お墓はいらない」人が心から満足できる供養方法の選び方、詳しく解説します。

お墓を作らないメリット・デメリットと選択肢が広がっている供養方法を紹介しますので、最後まで読めば心から満足できる供養方法を選ぶことができますよ!

目次

お墓がいらない理由と新しい供養のかたち

お墓がいらない理由

終活を考えるとき、自身のお墓を考える人は多いもの。

以前は、先祖代々のお墓に入るのが当たり前でしたが、今では「お墓はいらない」と思う人が増えています。

その理由のひとつは、高齢化社会により、墓地の維持や管理がむずかしくなってきたこと。

お墓は世代を超えて管理することが求められますが、家族が遠くに住んでいたり、跡継ぎがいなかったりすると、墓地の維持は難しくなります。

子どもがいない「おふたりさま」なので、私もお墓はいらないですね。

また、現代の生活スタイルの多様化に伴い、無宗教の人々や、お墓に対する価値観が変化している人々が増えています。

なぜなら、故人を弔うために必ずしもお墓が必要ではないと考えているためです。自然に身を任せ、樹木葬や海洋散骨などの選択肢を選ぶ人々も増えています。

新しい供養方法に注目

最近は、個人の自由や多様性が尊重されるようになり、「樹木葬」や「納骨堂」などの新しい供養方法が注目されています。

調査データでも、2010年には91%が購入していた「一般墓」2018年には46.7%、2023年には19.1%と年々減少しています。

2018年2023年
1位一般墓(46.7%)樹木葬(51.8%)
2位樹木葬(24.9%)納骨堂(20.2%)
3位納骨堂(19.6%)一般墓(19.1%)
鎌倉新書「第14回 お墓の消費者全国実態調査(2023年)」

高価なお墓は必要?

大切なのは、自分や家族の想いをこめたお墓を選ぶことです。価格はその次です。

上位3つの平均購入価格を比較すると、樹木葬であれば、一般墓の半額以下で供養できます。

平均購入価格
一般墓152.4万円
納骨堂77.6万円
樹木葬66.9万円
鎌倉新書「第14回 お墓の消費者全国実態調査(2023年)」

供養は必要だと思うけど、あまりお金はかけたくないなぁ。

お墓を作らないメリット

手間いらず

お墓って案外手間がかかります。掃除や草取りなど、お墓をきれいに保つためには定期的なお手入れが必要なんです。

でも、一般のお墓以外の供養方法を選べば、そういったお手入れの手間をほとんど気にしなくてよくなります。

お財布にやさしい

お墓を建てるのにはお金がかかるのは周知の事実。

墓地の価格はもちろん、墓石を建てたり、毎年の管理費を払ったりと、経済的な負担も大きいです。でも、永代供養墓や樹木葬などを選べば、それらの費用をぐっと抑えることができます。

自分らしさを表現

一般的なお墓って、なんだか似たような形が多いですよね。

でも、散骨や樹木葬といった方法を選べば、自分らしい供養の仕方を選ぶことができます。自分の遺骨の扱い方について自由に選べるので、自分らしい終活を送ることができます。

お墓を作らないデメリット

社会的な理解を得られない

一般的なお墓以外の供養方法は、家族や親戚、地域社会から理解を得られないことがあります。

供養方法の選択は、自分の意志だけでなく、関わる人々との事前のコミュニケーションがとても重要になるでしょう。

お墓参りができない

お墓は、故人を思うための具体的な場所でもあります。

散骨や樹木葬などを選ぶと、故人を偲ぶための特定の場所がなくなる可能性があります。

制度や法律の不明確さ

一般のお墓以外の供養方法には、まだ法律や制度が整備されていない面があります。

たとえば、散骨は日本ではまだ一般的ではなく、場所によっては禁止されていることもあるため、細心の注意を払う必要があります。

お墓がいらない人の選択肢

お墓はいらない!となったとき、「どんな供養がいいか?」は、家族と共有しておく必要があります。

なぜなら、供養方法は複雑化し、選択肢が広まっているため、しっかり自分の希望を伝えおかないと、心から納得できる供養はできない可能性が高いからです。

子どもたちに、一番負担がかからない方法はどれかしら。


樹木葬とは

  • 墓石のかわりに樹木や草花をシンボルとするお墓
  • 1999年からはじまった、まだ歴史の浅い供養方法
  • お墓の維持費がほとんどかからないのが大きな魅力
  • 自然と共に故人を偲ぶという考え方が、自然を愛する人から特に好評

樹木葬の埋葬方法は3つのタイプあります。

特徴
個別型タイプ契約者ごとに骨壺にいれて埋葬、墓標代わりに1区画1本の樹木を植える
集合墓タイプ他人の遺骨と混ざらない形で、1区画に数人の遺骨を埋葬
合祀墓タイプ他人と区画を共有し、遺骨を骨壺から取り出して埋葬

もともとは、山の中に遺骨を埋葬し、そこに樹木を植える埋葬方法で、「里山タイプ」とよばれます。

一方、女性に人気なのが「ガーデニングタイプ」。まるで庭園かと思うくらい、色とりどりの花や緑があふれています。

樹木葬に明確な定義はないので、契約内容をしっかり確認する必要がありますよ!

納骨堂とは

納骨堂

  • 寺院や霊園内に作られた室内施設に、お骨を収納する供養方法
  • 永代供養がついていることが多い
  • 室内にあるため天気に左右されず、お墓お参りしやすい
  • マンション型、ロッカー型など、個別に収納されるタイプがほとんど

ただし、最近注目を集めている「自動搬送式納骨堂」は、立体駐車場のような仕組みのため、メンテナンス料などの管理費が高くなる傾向があります。

高いお墓は買えないけれど、お墓のようにお参りをしたい人にオススメ。

永代供養墓(合葬墓)とは

  • 大きめの合同スペースに不特定多数の人の遺骨とともに埋葬
  • 骨壺で一定期間納められた後、合祀される場合も
  • 合祀されると、遺骨を取り出すことができなくなるため注意!

合祀(ごうし)って読むのね!

費用は一番安く、墓地の管理や後継者の問題を避けたい人にオススメ。

このあとの【知っトク終活】で深掘りします!

散骨とは

  • パウダー状に粉末化した遺骨を、海や山に撒く供養方法
  • 法律上、散骨のルールがないからといって、どこに撒いてもいいわけではない!
  • 自力でお骨をパウダー状に粉末化するのは難しいため、専門業者に依頼するのが一般的
  • 代わりに散骨し、終了後は「散骨証明書」を発行してくれるサービスも

まずはWEBで見積もりから

手元供養とは

  • 自宅や身近なところに遺骨を保管して供養する方法
  • 自宅に置いても違和感のない、おしゃれな骨壺もある
  • 遺骨をネックレスなどのアクセサリー、ダイヤモンドやプレートに加工もできる

父の遺骨は、現在おば夫婦の家で手元供養中。毎日お花をあげてくれているそうです。

心から満足できる供養方法の選び方

供養方法を選ぶポイントは?

自分らしい供養の方法を選ぶためには、自分自身を知ることが第一歩。

自分の価値観や信念、生きがい、好きなものなどをリストアップしてみてください。

次に、家族や大切な人たちと話し合うことも重要です。

自分がどのように供養されたいかを話し合うことで、心から納得できる供養方法を見つけることができます。また、その思いを家族や大切な人たちと共有することで、心の準備もできます。

最後に、自分の選んだ供養の方法に対する理解を深めることが大切です。

供養の方法についての情報を集め、それぞれの方法の意味や手続きを理解しましょう。これにより、自分自身が選んだ供養方法に納得感を持つことができます。

供養方法を決めるときに注意したいこと

供養方法を決める際には、自分らしい理想的な選択肢であっても注意点があります。

たとえば、自然に還る形を望む人にとっては、樹木葬や散骨が適しているかもしれませんが、その方法が周囲の理解を得られないこともあります。

亡くなったあと、葬儀を行い、実際に納骨するのは家族です。

また、お墓を選ぶ場所については、家族がお墓参りしやすい場所を選ぶか、あるいは故人が生前愛着を持っていた場所を選ぶかなど、後にトラブルにならないためにも十分話し合っておくことが必要です。

そして、予算も大きな選択基準の一つです。

使用料や管理料、更新料などを含めた費用を把握し、長期的な視点で見た時に経済的な負担がないかを確認しましょう。

まとめ

  • さまざまな供養の特徴、費用など、必要な情報を集める
  • 自分の思いを家族や大切な人たちと共有する
  • 家族と一緒に、できるだけたくさん供養方法を体感してみる

今回は「お墓はいらない」人の墓活について解説しました。

墓活は、自分の価値観や人生観を大切にするための一歩でもあります。

元気なうちから自分自身を知り、大切な人と話し合い、理解を深める。これらを通じて、心から納得できる、自分らしい供養方法を見つけてみてください。

そして、自分のお墓について考えがまとまったら、次は先祖のお墓のありかたを考えてみましょう。

増えつつある「墓じまい」については、下記の記事で紹介していますので、あわせて読んでみてくださいね!

>>お墓を移すのは本当によくないの?リスクと注意点を徹底解説

【知っトク終活】永代供養はいつまで?

承継の必要なし

永代供養は、さまざまな理由でお墓参りが難しい家族に代わって、寺院や霊園にお墓の管理と供養をまかせる埋葬方法です。

独身や子どもがいない夫婦など、跡継ぎがいない場合も、無縁墓になる心配がありません。

また、子どもはいるものの、先祖代々のお墓を継がないと決めている場合にも選ばれています。

このように寺院や霊園がお墓の管理と供養を代行してくれる、永代供養がついたお墓を「永代供養墓」といいます。

最近は、子どもはいるけれど、負担をかけたくない、お墓にお金をかけるなら子供にお金を遺したいとの理由から、永代供養墓を選ぶ人も増えています。

「永代」は「永遠」ではない

永代供養の安置期間は、永遠でなく、仏教的な法要年数や、5年・10年と契約で決められています。

最長で33年間の契約が多いようです。

安置期間は個別のスペースに遺骨を収め、保管契約した期間が過ぎた後は、他の方の遺骨と合祀され、供養が続けられるのが一般的です。

ちなみに、「永代供養」とは埋葬した後の管理や供養のことで、「合祀」は埋葬方法のこと。

「契約の安置期間終了後は永代供養」となっているお墓は、

  • 夫婦墓
  • 個人墓
  • 納骨堂
  • 合祀墓(合同墓・合葬墓)
  • 樹木葬

など、すべてが永代供養墓となります。

合祀墓だけが永代供養墓ではありません。

つまり、これらのお墓は契約期間までは「永代」供養をしてもらえます。

初期費用は50万円前後

永代供養墓は、永代供養料を1回支払い、その後の年間管理料がかからないものが基本です。

費用の内訳相場
永代供養料5~150万円程度
納骨料(お布施)3~5万円程度
墓誌への刻字料3万円程度

永代供養料は、5万円~150万円と大きな幅があります。

その理由は、永代供養墓のスタイルと供養の内容によって、大きく変動するためです。

一般的に、初期費用の相場は50万円前後と言われています。

最初にこれらの費用を支払えば、その後の追加費用やお布施は発生せず、子どもたちに負担がかかることはありません。

しかし、個別のスペースに遺骨を収め、個別の供養を希望した場合などは、別途費用が発生するケースもあります。

また、維持費が必要となる永代供養もありますので、契約前に十分確認しておく必要があります。

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