- 親が一人で寂しいと感じていないか心配している。
- 高齢の親が一人暮らしできる限界は?
- 遠方に住む親との連絡頻度はどれくらい?
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本業は総合病院(眼科)に勤務。医療系FPとして、地方紙で3年間コラムを連載した経験があります。
一人暮らしの親を持つ私たちには、心配事がたくさんあります。
「一人で寂しいと思ってるかな?」
「もしものとき、すぐに対応できるのかな?」
「親はいつまで一人で暮らせるんだろう?」
こうした不安は、私もかつて感じていたものでした。
父が入院中、コロナウィルスに感染し突然他界。その後、がんサバイバーである母との終活をきっかけに、親の健康や生活を見守ることの大切さ、親の一人暮らしのリスクを痛感しました。
一人暮らしの母親をサポートしたいと思っています。
この記事では、私自身の体験も交えながら、以下の内容を詳しく解説します。
- 一人暮らしの親のよくある心配事
- 親が安心して暮らせるようにするための3つの具体的なサポート
- サポートを始めるタイミングや目安
この記事を読むことで、あなたが抱えているモヤモヤが少しずつ晴れ、具体的な解決策が見つかるはずです。親との距離を埋め、心配を減らすためのヒントが見つかりますよ。
一人で悩まず、まずはこの記事を最後まで読んでくださいね。
一人暮らしの親のよくある心配事
親が年老いてくると、子供たちが気づかないところで変化が起きていたり、思いもよらないことが起こる可能性は高まります。高齢の父親・母親が一人で暮らしていると、
- ケガや病気に気づきにくい
- 薬を正しく飲めない・使えない
- 認知症の発症に気づけない
- 栄養不足になっていないか
- 一人で寂しいと感じていないか
- 犯罪被害にあう恐れがある
など、心配がつきません。
あなたは今、どんな心配事を抱えていますか?
ケガや病気に気づきにくい
高齢者は自分の健康状態の深刻さを認識できず、そのままにしてしまいがちです。すると早期の発見や治療が遅れ、結果的に症状の悪化を招いてしまうリスクが高まります。
実際、眼科に来られる患者さんの中には「2mの高さから転落して頭も打ったけれど、病院に行っても変わらないから行ってない」と話されたり、「ちょっと動くと息切れがするけど、大したことはない」と軽く考えてしまう方も少なくありません。
「行っても変わらないから」は、本当によく聞くフレーズなんです。
何も言ってこない=親は元気だと思いがちですが、実際は遠慮して言わないだけかもしれません。そのため、子どもから定期的に「何か変わったことない?」と連絡してあげることが大切です。しかし、仕事や家事で忙しい中、常に連絡を取り続けるのは簡単ではありませんよね?
そんなときに頼りになるのが「高齢者見守りサービス」。
高齢者見守りサービスをうまく活用すれば、親が転倒したり、急な体調変化があった場合も早めに対応できますので、お互い安心して日々の生活を送れます。
口コミは参考になりますが、あくまで他のご家庭の体験談。あなたの親に合うかどうかはまた別の話です。大切なのは、親が住み慣れた地域で安心して暮らせるよう、親にピッタリのサービスを一緒に見極めて選んでいくことです。
「高齢者見守りサービス12社を比較!【令和版】心配を安心に変える方法」では、各サービスの特徴を詳しく比較し、あなたに最適な見守りサービスを見つけるための情報をまとめました。
ぜひこちらの記事を参考にして、あなた自身の負担も軽くしてくださいね。
薬を正しく飲めない・使えない
たくさんの薬を管理するのは、高齢者にとって本当に大変な作業です。もし薬を飲み忘れたり、誤った使い方をしてしまうと、健康に悪影響を及ぼすリスクがあります。価格の安いジェネリックの使用割合は去年9月時点で、販売数量ベースでは約80%に達しているそうです。
ジェネリック医薬品を使う機会も増えましたよね。
ジェネリック医薬品は、先発医薬品と同じ有効成分を含み、効き目や安全性も同等であるとされていますが、名前が異なるために混乱を招くことがあります。私が勤めている眼科でも、こんなことが……。
「目薬のつけ方がよくわからない!全部持ってきたから見てほしい」と患者さんが確認に来られます。とはいえ、自己流で誤った使い方をしている方も少なくないでしょう。
かつては目薬のキャップの色で「1日何回点眼するか」を説明していましたが、今はジェネリック医薬品が普及していて、キャップの色が違うため分かりにくくなっています。今や、お薬手帳が頼りになることがほとんどです。
正直、医療従事者の私たちですらお手上げ状態なんです。
どうやって正しく薬を管理すればいいの?
高齢者が薬を正しく服用できるよう、いくつかの対策があります。
たとえば、ピルケースやお薬カレンダーを活用する方法です。目薬はシールを貼って、色分けするなどしてわかりやすくする工夫もあります。お薬の飲み忘れを防ぐサポートは、きっと親に喜んでもらえるはずです。
「一包化」の活用も効果的
さらに、薬の飲み間違いを防ぐために「一包化」を活用する方法もあります。
一包化とは、複数の薬を服用するタイミングごとにまとめて一袋にパッケージする調剤方法で、薬を飲む際の間違いや忘れを防ぐために用いられます。すべての薬が一包化できるわけではありませんが、利用している患者さんも多いです。
薬をシートから取り出すって意外と大変なんですよね。
違う病院の薬でも「一包化」できるケースもあるので、薬剤師さんに相談しましょう。
私も以前、母のために手作りで「一包化」をしていました。100円ショップで購入した透明な袋に、朝は赤、昼は黄色、夜は緑のシールを貼り、そこに1・2・3…と数字をふっていました。3か月分を一気に準備するのは、正直大変でした。
肩が凝るし、手が痛くなるし、気も遠くなるんですよね。
便利なグッズで負担を減らそう
最近では薬の種類が減ったため、母が1日分ずつ仕分けて、お薬カレンダーに入れています。便利なグッズを活用すれば、親が安心して薬を使える環境を整えられますよ。
だいぶくたびれてきたから、新しいのに変えたいわ。
3代目お薬カレンダーはダイソーで購入、税込み165円です。
認知症の発症に気づけない
認知症とは、記憶力や判断力などの認知機能が低下し、日常生活に支障をきたす状態です。この状態が約6ヶ月以上継続することが一般的な基準とされています。
初期の段階では、日常生活や社会生活に支障なく過ごせているため、本人や周囲の人もその変化に気づきにくいことが多いのが特徴です。
実際、患者さんの動きや受け答えを見ていて、「もしかして、認知症の始まり?」と感じることがあります。電話やLINEなどを通してでは、少しの変化に気づくのはなかなか難しいものです。
小さな違和感に気づかないと、症状がどんどん進行してしまう可能性があります。
もし同居していれば、料理が大好きだった親が急に料理をしなくなったり、早起きだった親が午後まで寝ているようになるなど、生活習慣に変化が現れたら、「あれ?」と早めに気づくこともできるでしょう。
しかし、一人暮らしの親と頻繁に会えない状況では、こうした変化に気づくのは難しいですよね。そこで役立つのが、高齢者見守りサービスです。このサービスを使えば、親の生活リズムや日常の様子を見守ることができます。
たとえば、生活パターンの変化を自動的に検知する機能を備えた見守りサービスを活用することで、普段気づけない変化を見逃すことなく、早めの対応ができるようになります。
栄養不足になっていないか
一人暮らしの高齢者は、食事の準備や調理がむずかしくなると、食事の質が低下し、栄養が偏ってしまう可能性も。特に、野菜やタンパク質の摂取不足は、健康状態に影響を及ぼすことがあります。
栄養バランスを考慮した宅配食事サービスを利用したり、親の健康的な食生活を支援することもできます。また、簡単に調理できる健康食品やレトルト食品を届けるのも有効です。
一人で寂しいと感じていないか
社会的なつながりが減ってしまうことで、孤独感や孤立感を抱える高齢者も増えています。これは精神的な健康にも影響を及ぼす重要な問題です。趣味のクラブや地域の集まりへの参加を促し、社会的なつながりを持てるようサポートします。
また、ボランティア活動に参加することも、社会参加の意欲を高める良い方法ですね。家族が定期的に訪問したり、電話やビデオ通話を利用したり、コミュニケーションをとってみましょう。
犯罪被害にあう恐れがある
高齢者は詐欺のターゲットになりやすく、特に一人暮らしの高齢者はそのリスクが高いとされています。近年では「オレオレ詐欺」や「還付金詐欺」など、巧妙な手口が増えており、ますます警戒が必要です。
私が検査を担当した90歳の患者さんも、詐欺の被害に巻き込まれそうになったことがありました。彼女は、電話で「オレオレ詐欺」の一種に遭遇したそうです。息子を名乗る人物からの電話を受けた後、急いでお金を準備していたものの、ふと「何かがおかしい」と感じ、不安に駆られた彼女は、隣の家に逃げ込みました。
その後、窓から外を見ながら「犯人が来るのでは?」と恐怖に怯えていたそうです。幸い、犯人は現れなかったそうですが、自分の親が同じ状況に置かれたら……と考えると、本当に怖いです。
とても他人事とは思えません。
家にいるのが怖くなった患者さんは、その日のうちに最小限の荷物を持ち、新幹線で娘さんの元へ。駅で迎えてくれた娘さん夫婦の顔を見たとき、ようやく安心できたと話してくれました。
こうした事件から学べるのは、家族のサポートが非常に大切だということです。一人で対応しようとすると、不安に押しつぶされる可能性があります。すぐに連絡を取り合える体制を整えておくことが、高齢者の安全を守るための第一歩。
住宅のセキュリティを強化することも重要です。
たとえば、窓やドアを補強する、防犯カメラを設置する、ホームセキュリティの契約をするなど、物理的な対策を講じることで、犯罪のリスクを大幅に減らすことができます。
特に実家から離れた場所に住んでいる場合、見守りサービスを導入することで、万が一の状況でも迅速に対応できるだけでなく、日常生活の安全も確保できます。
子どもが親にできる!3つの安心サポート
日本の高齢化が進む中、一人暮らしをする親には、さまざまな問題が起こる可能性があります。親が安心して暮らすため、子どもが早めに察知しサポートをはじめることが大切です。
私がはじめたサポートを3つ紹介します!
日常的なコミュニケーションで安心感を提供
一人暮らしの親の安否を確認するときに、電話やLINEなどのSNSでのやり取りは始めやすい方法です。すでに多くの方が日常的に利用しているかもしれません。
ALSOKが行なった「別居している高齢の親を持つ子どもの意識調査」によると、40代女性は「1ヶ月に1回程度」の割合がもっとも高かったのに対し、50代女性では「1週間に1回以上」の連絡頻度が高くなっています。この調査から、年齢が上がるにつれ親と連絡を取る頻度が増える傾向がみられます。
日常的に親とコミュニケーションをとることで、親のちょっとした変化にも気づきやすくなり、より安心感を提供することができます。さらに、日々の会話を重ねていくことで、終活に関する話題や重要な情報を自然な流れで話し合う準備にもなります。
1日1回、LINEで安否確認をしています。
ちょっとしたことも話しやすくなったわ。
安心・安全に暮らすためバリアフリー化
高齢者が一人暮らしを続けるためには、自宅環境の整備がとても大切です。環境を整えると日常生活の便利さだけでなく、安全性も大幅に向上します。
まずは、実家の中をじっくりチェックしてみましょう!
1. 段差
家の中にある小さな段差は、転倒の大きなリスクになります。段差解消スロープを設置したり、床材を変更して段差をなくすことで、転倒のリスクを減らすことができます。
2. 暗さ・まぶしさ
照明が暗すぎる場所がないか、家の中を確認しましょう。暗い場所は見えにくく、転倒の原因にもなります。また、逆に照明が明るすぎてまぶしいと、視覚的な負担がかかります。間接照明や調光可能な照明を使って、快適な明るさに調整すると安心です。
3. 防寒対策
寒さは高齢者の健康に直接影響を与えることがあります。断熱材を追加したり、暖房設備を見直すことで、寒さを和らげ、快適な室温を保つことが重要です。
4. バリアフリー対策
家の中に手すりを設置したり、滑りやすい床には滑り止めを設置するなど、バリアフリー対策も忘れずに。これらの対策で、転倒やケガのリスクを大幅に軽減できます。電気コードや床に置いた本などの障害物を取り除くのはもちろん、以下の点にも注意が必要です。
・段差
家の中にある小さな段差も、転倒のリスクを高める要因になります。段差解消スロープに設置や床材の変更などを検討しましょう。
・暗さとまぶしさ
照明を適切に調整し、暗い場所がないようにすることが重要。反対に、まぶしさも高齢者にとって視覚の障害になることがあるため、間接照明や調光可能な照明を使用するのも効果的です。
・防寒対策
寒さは高齢者の健康に直接的な影響を与えることがあるため、断熱材の追加や暖房設備の見直しを行うと良いでしょう。
元気なうちに親の希望や情報を聴く
親が一人暮らしを続けたいのか、それとも施設での生活を希望するのか…親が元気なうちに、これらのことを話し合うのはとても大切です。もし親が一人暮らしを続ける場合、子どもとしてどんなサポートができるかを具体的に考えておくと良いでしょう。
また、エンディングノートを活用して、親の医療情報や薬の管理方法、緊急連絡先などを整理しておくこともおすすめです。親が元気なうちにこうした情報を共有しておけば、万が一の時でも、慌てずに対応できますよ。
必要なのはわかるけど、書くのが面倒ね。
こんな時は、子どもが代わりに書いてあげるのも一つの方法です。
もし「親のお金を守るための方法を知りたい」という方は、ぜひこちらの記事もあわせて読んでくださいね。
>>ゆうちょ銀行代理人カードとは?親の代わりに引き出すルートを確保!
親の一人暮らしサポートを開始するタイミング
高齢者単身世帯の割合が増加中
親が一人暮らしをしていると、急病や事故に見舞われたときに、その事態に気づけない可能性がありますよね?
厚生労働省のデータによると、団塊世代のすべてが75歳以上となる2025年には、75歳以上が全人口の18%となります。そして、2040年には、6世帯に1世帯は高齢者単身世帯になると予想されています。
今は両親が健在でも、どちらかが亡くなったり、長期の入院、施設に入所となれば、親の一人暮らしがはじまることになります。
一人暮らしの限界は?いつまでできる?
一人暮らしの限界はいつなのか、そしてどのようにサポートするべきか、これらは平均寿命と健康寿命の違いを理解しておく必要があります。みなさんもよくご存じの通り、日本の平均寿命は世界でもトップクラスです。
特に女性は90歳近くに迫っています。
ここで重要なのが平均寿命ではなく「健康寿命」。健康寿命とは、健康上の問題で日常生活に制限のない期間、つまり自立した生活が可能な期間を指します。
残念ながら、このように平均寿命と健康寿命には差があり、その差は時に10年以上になっています。もちろん、いつまで一人暮らしを続けられるかは、単に年齢だけでは判断できません。
親が75歳を過ぎたら、子どもは日常生活で困っていることは何かを把握したり、親の生活環境やサポート体制を見直してみましょう。親が安心して老後を過ごしてもらうための第一歩になりますよ。
介護未満でもケアは必要?
私の母は介護未満の状態。今も定期的な受診は欠かせませんが、介護が必要な状況ではありません。実は以前、高齢者見守りサービスを調べ尽くし、母に利用をすすめたことがあります。しかし、結果は…
何かあったら連絡するからいらないよー!
せっかく調べたのに(泣)。
当時は、Wi-Fiが必要な機器がほとんど。さらに、いろいろ手続きが面倒だし…といろいろな理由をつけてあきらめましたそんな母も75歳になり、後期高齢者の仲間入り。そこでもう一度、高齢者見守りサービスについて調べてみると、驚くほどにサービスが多種多様になっていました。
しかも、インターネット環境が不要の見守りサービスが増えてる!
私の場合、自立した生活を送っている母にちょうどいいケアは、「さりげない見守り」だと考えました。
さりげない見守りとは、人感センサーやコミュニケーションロボットをつかい、親の様子を適度な距離感を保ちながら見守ること。ただし、年を重ねるにつれ見守りレベルは変化します。そのため親の状態をこまめに確認しながら、レベルにあわせた見守りサービスを利用していく必要があります。
まだ大丈夫だろうと思いこんで、変化のサインを見逃さないように。
【まとめ】一人暮らしの親と子どもが幸せに過ごすための心がけ
- 親の生活スタイル・ニーズを把握する
- やりすぎ、やらなさすぎ、どちらもNG
- 親のサポートをはじめる目安は「75歳」
今の時代、高齢の親が一人暮らしをするのは特別なことではありません。
しかし私自身、この状況に対して「親がかわいそう」「親を呼び寄せたら?」という反応をされることもあります。これは、一人暮らしの高齢者に対する心配や不安の表れですが、実は子どものサポートがあれば、親は十分安全で快適に暮らせます。
私自身、母親が一人暮らししていると正直心配は尽きませんが、やりすぎも、やらなさすぎも良くありません。なぜなら過度な干渉は親の自立心やプライバシーを損なう可能性があるからです。反対にサポートが不十分だと、安全や健康のリスクを高めることになりかねません。
親が自立した生活を送るため「ちょうどいい」サポートをしたいですね。
親の一人暮らしをサポートするには、バランスの取れたアプローチが大切。そして、高齢者見守りサービスをうまく活用することで、安心感を持って日々を過ごせるようになりますよ。
離れて暮らす親が心配な方は、こちらの記事がオススメ。ぜひあわせてご覧くださいね。
あなたと家族にピッタリな見守りサービスが見つかりますよ。
>>高齢者見守りサービス12社を比較!【令和版】心配を安心に変える方法