- 親が亡くなったあとのトラブルや負担を減らしたい
- 親との関係をより良好に保ちたい
- 自分自身の終活についても考え始めたい
このようなお悩みを解決する記事を書きました。
- 親が終活しない理由
- お金の話を切り出す準備
- 親子で実家の断捨離
- 子どもがサポート!親の終活はじめの一歩
本業は総合病院(眼科)に勤務しています。医療系FPとして、地方紙で3年間コラムを連載した経験があります。
父がコロナに感染し、突然亡くなったのがきっかけとなり、終活の大切さを痛感。
がんサバイバーの母に終活を勧めてみたものの、エンディングノートは放置。全然終活しない…。
そこで、私が終活をゼロから学び、終活ガイド1級を取得して、母の終活をサポートしよう!と決めました。
では早速、体験談を交えて解説していきますね!
親が終活をしない理由
「そろそろ終活、はじめてみたら?」
と、おそるおそる、親に切り出したことはありませんか?
そして、親に「まだ早い」と怒られたり、「面倒くさい」と断られたことはありませんか?
私の母は、市内バス乗り放題の「シルバーパス」を愛用中。
ちゃんと自分のことをシルバーって認めているはずなのに、終活はまだ早いんだそうです。
どっちなんだいっ!と言いたくなります(笑)。
確かに、親の終活は、するもしないも親次第。
とはいえ、親が終活をしないまま亡くなると、すべて子どもが引き受けることに。
だからといって、子どもの負担を減らす目的で、親の思いを無視して、無理やり終活をさせるというのはちょっと違うのかなと思っています。
では、子どもはどうしたらいいのでしょうか?良い方法ないでしょうか?
こればかりは、残念ながら、特効薬のようなものはありません。
タイミングを見計らいながら、根気よく、何度も親と話をする。
これを繰り返していたある日、母には終活をしない理由が3つあることに気がつきました。
まずは「自分の死について考えたくないから」。これが1つ目の理由です。
終活は、介護・医療の意思表示、お葬式、お墓など、もしもの時のことや、自分がいなくなった後のことを考える必要があります。
がんを2回乗り越えてきた母ですから、気にしてないのかなと思いこんでいたけれど、やはり避けたい話題だったようです。
ちゃんと話を聴いてみないとわからないものですね。
2つ目の理由は「子どもがなんとかしてくれると思っているから」。
私は眼科に勤めているのですが、患者さんは親の年代かそれ以上、つまり高齢者が多いのです。
家族が診察に付き添って、大切にされているな…と感じることもあれば、だれかついてきてくれる人はいないのか、よく一人で来れたな…と思ってしまうことも少なくありません。
中には、子どもはいるけど、連絡したくないというデリケートな問題を抱えているケースも。
毎日そんな様子を見ているので、母のことはなんとかしてあげたいと思ってしまうのです。
終活ガイドになってすぐ、
「親にエンディングノートを書いてもらうには、どうしたらいいですか?」と先生に質問したことがあります。(先生ありがとうございました)
すると返ってきた答え…
「親は自分が先に逝くと思っている。でも、そうじゃない可能性もあるんだってわかると、終活に対する意識が変わり、興味を持つことが多いよ。」
首がもげそうになるくらい、うなずきました。心当たりがありすぎる!
実際、総合病院に勤務する中で、同世代の方が病気やけがで亡くなったり、寝たきり状態になられた患者さんをみてきました。
また、ぱっと見はお元気そうに見えても、実は病気やけがの後遺症で、お金の計算ができなかったり、言葉がなかなか出てこない、新しい出来事を覚えられない患者さんもいらっしゃいます。
親世代に比べたら確率は下がるけれど、病気やけがで命を落としたり、今までの仕事や生活ができなくなる可能性はあるのです。
親は自分より先に子どもが逝くなんて考えたくないだろうけど、言葉を選びながら、伝える必要がありそうですね。
3つ目の理由は「なにをしたらいいか、わからないから」。
子どもに迷惑をかけたくない、できるかぎり自分でやりたい、と思っている親は多いもの。
終活をした方がよさそうと感じている場合、具体的な方法を伝えるなどサポートすればすんなりはじめてくれるのかもしれません。
では、まとめます。
まずは、時間をかけて、親が終活しない理由を聴いてみる。
次に、「親が終活してくれると私(子ども)が助かるわ~」というスタンスで、話を持っていく。
すると、私の母の場合、終活に対するアレルギー反応は徐々になくなっていきました。
大切なので、もう一度。
「終活してみたら?」ではなく、「終活してくれると私が助かるわ~」です。
まずは終活はじめの0.5歩?(はじめの一歩まではいってない)
お金の話を切り出す準備
終活する中で絶対に避けられないのがお金の話。
「銀行の預金口座・暗証番号」や「年金の金額」、「もしものときに受けとる保険金」など、聴きたいお金のはなしはたくさんあります。
でも、ストライクゾーンに直球を投げ込むと、もれなく警戒されます。
- 毎月いくらもらってるの?
- 貯金はいくらあるの?
- 銀行口座の暗証番号教えて
もし自分が子どもや家族から、こんなことをいきなり聴かれたら、どういう気持ちになりますか?
私なら「は?急に何言ってんの?」って怒ります。関係悪化は必至!
そこで、お金の話を切り出すまえに、話しやすい環境づくりを始めましょう。
週に1回、決まった時間に電話して、話題を終活だけに限定せず、話をしてみること。
- 毎日暑いけど、ご飯食べられてる?
- いつも何時ごろ、お風呂に入ってるの?
- 最近はどんなテレビ見てるの?
こんな会話を繰り返していると、親の暮らしぶりが見えてくるものです。
つまり、日常会話から徐々に終活のはなしを広げ、最後にお金のはなしするのが成功の秘訣です!
雑談で、ちょっとずつ親に近づいていくのがコツ。
お金の話を避けて通れない理由の1つに、介護費用の問題があります。
基本は親のお金でまかないたい。
そのためには親の資産状況をを知ること。そして、その資産を一緒に守ることが必要なんです!
この話の続きはこちらで書いていますので、あわせて読んみてくださいね。
親子で実家の断捨離
親子で実家の断捨離をしながら、思い出の品を整理する時間をつくるのもオススメ。
実家の断捨離はただの片づけではありません。
それは、家族の歴史や思い出を再確認し、共有する特別な時間となるのです。
私の実家も老朽化が進み、引越しを余儀なくされました。
そこで、母と一緒に40年以上の思い出を詰め込んだ家の断捨離を始めることになりました。
最初は、実家に忘れていた私の荷物から。
国家試験の参考書や、かつて夢中になったNHKの朝ドラ「ちりとてちん」のグッズなど、様々なものが出てきました。
「ちりとてちん」のグッズは持ち帰ろう!
押し入れの奥からは、幼稚園の頃に書いた絵や、母と一緒に撮った成人式の写真など、私たちの家族の歴史が次々と出てきました。
そして、私の七段のひな人形と弟の五月人形も…
ひな人形と兜は、新しい家に絶対持っていくからね。
あんなかさばるモノ持ってくの?
…と思いましたが、人形は母にとって特別なモノ。
家の片づけを通して、母が大切にしてきたモノや価値観がわかってきたような気がします。これも大切な終活の1つ。
断捨離は、生前整理の一部ともいえますが、それ以上に家族との絆を深める時間でもあります。
みなさんも、この機会に実家の断捨離を通じて、家族の歴史や思い出を再確認してみませんか?
子どもがサポート!親の終活はじめの一歩
終活って、実はとても大きなテーマ。
「葬儀」「お墓」「相続」などのイメージが強いですが、決してそれだけではありません!
もし「終活は何からはじめたらいいの?」と聞かれたら、何と答えますか?
私はエンディングノート!と答えました。
どこから手をつけて良いのか迷ったときに、おすすめなのが「エンディングノート」。
なぜなら、目次をながめると「終活のやることリスト」になっているから。
確かにこれならわかりやすいね。
終活の全体像がつかめるし、頭の中に終活の地図ができますよ!
親の終活が気になりはじめた人、必見!こちらもあわせて読んでみてくださいね。
>>【体験談】めざせ親孝行!親とはじめる「終活やることリスト10選」
ただし、終活しない親にエンディングノートを渡したところで、すんなり書いてもらえる可能性は高くないでしょう。
ダイソーでエンディングノート買ってきたよ!
(目次を見て)年寄りはこんなに書けないよ!
この言葉とともにエンディングノートを返されました(笑)。想定の範囲内ですが…。
では、どうするか?
その答えは、子どもが先にエンディングノートを書くこと。
実際に自分で書いてみると、エンディングノートの内容がわかるし、書ききることの難しさもよくわかります。
途中で挫折してしまうのも納得。なにかコツはないの?
そこで、エンディングノートの作り方を学ぼうと、エンディングノート認定講師の資格を取得。
講習会に参加してわかりました。エンディングノートを書ききるにはコツがあることを!
エンディングノート認定講師の私が、エンディングノートを書くためのコツをわかりやすく解説しています。
こちらもあわせて読んでみてくださいね!
エンディングノートの作り方とは?書いておきたい項目と注意点まとめ
【知っトク終活】エンディングノートの基礎知識
終活とは「旅の準備」
あなたが長期間の海外旅行に出かけるとします。
出発前、どのようなことを考えますか?
旅行先で訪れたい場所、必要な持ち物、保険、そして万が一の事態に備えての連絡先など、さまざまなことをリストアップして、いろいろな計画を立てる人も多いはず。
ノープランで旅行を楽しむよ!という人もいるかもしれませんが、ノープランで終活はあまりおすすめしません。
そこで登場するのが、自分のため、家族のために、さまざまな情報を整理し、大切な人に伝えるためのツールである「エンディングノート」です。
エンディングノートに何を書くの?
終活というと、なんだか難しそうで、どこから手をつけたらいいかわからない。
そんなときは、まずはエンディングノートを1冊用意してください。
- Amazonなどのネット通販
- ハンズやロフトなどの文具店
- 大型書店
など、さまざまな場所で販売されています。
ダイソーでも、エンディングノートが買えます!
目次を開くと、このような項目が書いてありました。
- 私について
- お金について
- 家族・親族・友人について
- 看護・介護について
- 葬儀・お墓について
- 遺言書・相続・死後の対応について
- 大切な人へのメッセージ
これらすべてを一度に書かなくてOK。書ききるのは簡単ではありませんが、完成したら「人生のガイドブック」になりますよ!
子どもが親に書いてほしい項目の第一位は?
子どもが親に書いてほしいと思っている、エンディングノートの項目トップ5は…
- 1位 お金や財産
- 2位 家族への想い
- 3位 病気になったときのこと
- 4位 お葬式やお墓について
- 5位 これからやりたいこと
出典:終活協議会 セミナー資料より
確かに、書き残してくれると助かるモノばかり。
もし、うちの母のように「書くのが面倒!」というなら、子どもが代わりに書き、エンディングノートを作っていく方法も全然あり。
「面倒なら私が聴きとって書くから」と伝えた上で、音声録音しておくのもよいかもしれません。
「(エンディングノートを見せながら)こんな感じで書いたけど、書き足りないことはある?
葬儀に呼びたい人考えたから、書き足してくれる?
このように、情報を少しずつ書き重ねていけば、最終的に親の希望が反映されたエンディングノートを作ることができます!