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- 終活をやらないとどうなる?
- 終活で親に聞いておくことは?
- エンディングノートはいつ渡す?
「親の終活、何から始めたらいいの?」そんな疑問を抱える方へ。
私の体験をもとに、家族が今すぐできる10のステップをご紹介します。
終活って、元気なうちに話し合っておくべきと分かっていても、つい後回しにしがちですよね?

私自身が、そうでした。
「その時」が来るなんて思ってもいなかったある日、父は新型コロナに感染し、たった1週間で旅立ってしまいました。
もし、あのとき少しだけでも準備していたら。
延命治療をどうするか、葬儀はどこにお願いするか、父の財産はどうなっているのか…。
家族の誰も答えを知らず、ただ慌てるばかりの日々でした。
そんな経験から今思うのは、終活は“まだ早い”うちにこそ始めるべきということ。
この記事では、親の終活で家族が今すぐできること10選を、私の体験談とともにご紹介します。
- 緊急時の連絡先リストを作成
- 医療・介護の希望を見える化
- 財産・資産の棚卸しと共有
- デジタル資産やパスワードの整理
- エンディングノートの作成
- 遺言書の有無と内容の確認
- 老後の住まいを一緒に考える
- 身辺整理・断捨離®のサポート
- 葬儀の希望やスタイルの確認
- お墓や供養のかたちを選ぶ
「親とどう話せばいいかわからない」
「何から手をつければいい?」



そんな悩みを感じているあなたのヒントになればうれしいです。
終活とは、「人生の終わりの準備」ではなく、「これからの時間を、安心して過ごすための準備」。
その第一歩を、親と一緒に踏み出してみませんか?
「親孝行したいときには親はなし」



その続きを、あなたは知っていますか?
親が終活をしなかった結果…私が本当に困った4つのこと


「親孝行したいときには親はなし」——よく聞くことわざですが、その続きをご存じですか?
親孝行のしたい時分に親はなし。
石に布団は着せられぬ。
つまり、「亡くなってからでは、どんなに優しい思いも届かない」——そういうことなんですね。
私も、父を亡くしてからこの言葉の重みを初めて知りました。
父は、新型コロナウイルスに感染して、たった1週間で天国へ旅立ちました。
そのとき、私たち家族は何の準備もできていなかったのです。
ただただ、時間に追われて、決めなければならないことが次々とやってくる。
そのなかで、とくに困ったのは、次の4つのことでした。
- もしもの時の意思表示がない
- 葬儀社を選ぶ時間も余裕もなかった
- 資産状況がまったくわからなかった
- 遺品整理の費用が予想以上だった
どれも、「元気なうちに話しておけばよかった」と、あとから思ったことです。



では、ひとつひとつを私の体験を通してお伝えしますね。
もしもの時の意思表示がない
父は肺の持病で入院していました。
その病室で、新型コロナウイルスに感染したのです。
急な隔離と治療。
慣れない病棟で、父は戸惑い、怒り、苦しんでいました。
亡くなる2日前まで、「ここから出せ」「家に帰らせてくれ」と声を荒げていたそうです。
リハビリを続ければ、きっとまた家に帰れる——私も当たり前のように考えていました。
けれど、その朝、一本の電話がすべてを変えました。
「お父さまの容態が急変しました。延命治療を希望されますか?」
スマートフォンの向こうの医師の声を、私は驚きながらも静かに聞いていました。
回復の見込みがないとわかっていながら、それでも生かしてほしいのか。
それとも、苦しませずに穏やかに見送ってほしいのか。
父がどんな最期を望んでいたのか、私は知らなかったのです。
「もしものとき、どうしてほしい?」
たった一言、聞いておけばよかった。
そう気づいたのは、もう父がいなくなった後のことでした。
葬儀社を選ぶ時間も余裕もなかった
「決まっている葬儀社さんはありますか?」
父が亡くなった直後、病院の看護師さんにそう聞かれて、私は一瞬、何を答えていいかわかりませんでした。
葬儀社…正直、まったく考えていませんでした。
スマホを開いたものの、何をどう調べたらいいかもわからない。
その瞬間、もう諦めてしまいました。
しかも、父は新型コロナに感染していたため、通常通りの葬儀ができるのかどうかもわからず、不安ばかりが膨らんでいきました。
結局、「病院と提携している葬儀社がすぐ来られる」と言われ、深く考える余裕もなく、そのままお願いすることに。
その選択でよかったのか、もっと父らしい見送りができたのではないか。
そんな思いが、あとからあとから湧いてきて。



これが、大“後悔”時代のはじまりでした。
父は生前、「お墓はここにしてくれ」とは話してくれていたのに、葬儀のことまでは、ちゃんと聞けていなかったんですよね。
元気なうちに話しておけばよかった。
「縁起でもない」なんて、思わなければよかった。
いま思えば、あのときの自分に、そっと寄り添って声をかけてあげたくなります。
資産状況がまったくわからなかった
私が20歳のとき、両親は離婚しました。
それから父は、自分の人生を自由に、ひとりで歩いていました。
父に会うのは年に1、2回。
気ままに暮らしている様子を、離れて見てはいましたが、詳しいことまでは知りませんでした。
「借金があるかもしれない」
「もしかしたら、誰かの保証人になっていたかも…」
そんな不安が、父の死後、現実味を帯びて心の中をよぎりました。
そのとき私たちは、父の遺した“もの”ではなく、父の背負っていた“何か”を受け取ることになるかもしれない…そう思ったのです。



弟と話し合い、私たちは「相続放棄」を選びました。
それが正しい判断だったのか、今でもわかりません。
けれど、情報がまったくない中で、家族を守るには、それしかありませんでした。
「まだ元気だし、タイミングじゃないよね」
「お金の話なんて…」
そうやって後回しにした結果、私たちは「知らないまま」を選ぶしかありませんでした。
もう少しだけ勇気を出せていたら、きっと、もっと父の人生に寄り添えた気がしています。
相続放棄の体験談はこちらで詳しく書きましたので、あわせてご覧くださいね。
遺品整理の費用が予想以上だった
父が亡くなったあとの数日間は、ただただ時間に追われていました。
父は賃貸マンションに住んでいたため、早く退去しなければ家賃が発生し続けてしまう。
その事実に気づいたとき、胸がざわつきました。
「早く片付けなきゃ。けれど、何から手をつければいいの?」
私は仕事を休めず、父の遺品整理は伯母夫婦にお願いしました。
でも、いざ始めてみると、あまりにも物が多く、想像以上に大変だったそうです。
一つひとつの物が、父の人生の一部だったはずなのに、今の私たちにとっては「早く手放さなければならないもの」になっていました。
「これは残しておいた方がいいのか、それとも処分していいのか」



結局、私たちは専門業者に依頼することにしました。
時間も、気力も、追いつかなかったからです。
費用は思ったよりも高額で、あとから追加でかかる料金もありました。
正直なところ、もっと早く準備しておけば、避けられた出費だったかもしれません。
「父が元気なうちに、少しずつ片づけを手伝っていれば…」
そんなふうに、あとになってから気づくことばかりです。
遺品整理の体験談と注意点はこちらで紹介していますので、参考にしてみてくださいね。
▶ 遺品整理体験談【費用面の落とし穴】遺品整理士に注意点を聞いてみた!
親の終活で家族ができること10選


終活といっても、いきなり全てを準備するのは難しいもの。
そこで今回は、家族が今からできる終活サポートを3つのSTEPで整理しました。
- 緊急時の連絡先リストを作成
- 医療・介護の希望を見える化
- 財産・資産の棚卸しと共有
- デジタル資産やパスワードの整理
- エンディングノートの作成
- 遺言書の有無と内容の確認
- 老後の住まいを一緒に考える
- 身辺整理・断捨離®のサポート
- 葬儀の希望やスタイルの確認
- お墓や供養のかたちを選ぶ



各STEPごとに具体的な進め方や体験談を紹介していきます。



終活のやることリストみたいね。
STEP 1|いざという時に備える基本情報


「まだ早いかも…」と、なかなか切り出せない終活の話。
でも、もしものときの後悔は、突然やってきます。
緊急時の連絡先リストを作成
いざというとき、すぐに誰に連絡すればいいか…。
それがひと目でわかる「緊急時連絡先リスト」は、親の終活を支えるうえで、意外と見落とされがちな大事な準備です。
連絡先は、家族だけでは不十分。
主治医、ケアマネジャー、ご近所さん、昔の友人など、親が本当に頼りたい人まで含めて書いておくのがポイントです。
母と一緒にリストを作ったとき、書き出してくれたのはこんな人たちでした:
- 娘(私)
- 娘の職場
- 娘の夫
- 息子
- 息子の職場
- 息子の妻
- ご近所のAさん
- 昔の勤務先の友人
職場や続柄を書いておくと、私たち家族だけでなく、近所の方にも状況が伝えやすくなります。



母のスマホの電話帳に「娘」「友人」など続柄が入っていました。



ひと目でわかるでしょ?



訃報を伝える際など、関係性が書いてあると本当に助かります。
人とのつながりを振り返る時間にも
「この人は高校時代の友達」「この人は若い頃お世話になった人」——リストを作る時間は、思い出をたどるひとときでもあります。
親の人生をそっとたどりながら、今でも大切にしたい人が誰なのかを知ることができました。
終活のひとつとしての連絡先整理は、ただの「名簿作り」ではなく、心をつなぐ準備なのかもしれません。
訃報を伝えるときにも役立つ
このリストは、もしものときに訃報を伝える人を整理する際にもとても役立ちます。
母に書いてもらった「どんな関係か」も一緒に残しておくと、私たち家族が知らない相手にも、迷いなく連絡ができます。



名前だけでは、正直わからない人が意外と多いんです。
医療・介護の希望を見える化
希望は「話すだけ」で終わらせない
年を重ねると誰でも、身体や心にさまざまな変化が訪れるものです。
とはいえ、元気なうちは「自分にはまだ先の話」と感じてしまいがち。
だからこそ、まだ余裕のある今のうちに、どんな医療や介護を受けたいかを話しておくことが大切です。
「延命治療は望まない」
「最期は自宅で迎えたい」
たとえ小さな希望でも、話してくれた内容はできるだけ文章に残してもらいましょう。
家族で共有しておくことで、いざというときに慌てずにすみます。



うちはエンディングノートに書いてもらいました。
「人生会議」を知っていますか?
医療や介護の希望を共有する方法として、厚生労働省が推奨するのが「人生会議(ACP)」です。
人生会議とは、もしものときに備えて、本人が望む医療・ケアを事前に考え、家族や医療チームと話し合い、共有しておく取り組み。
たとえば「延命治療はしないで」という思いがあっても、医師や家族に伝わっていなければ実現できないこともあります。
ところが、厚労省の調査によると、なんと72.1%が「人生会議」を知らないという結果も。



この記事を読んでいる今こそ、知っておくきっかけにしてくださいね。
介護費用の話は、早めに
介護は家族の多くが直面するテーマです。
介護費用については、まず「親のお金でまかなうのが基本」とされています。
そのうえで、家族でどうサポートし合うか、早めに話し合っておくのが安心です。
お金の話は気が引けるかもしれませんが、「誰がどこまで負担するのか?」という不安を減らす第一歩になります。



もし介護が必要になったら、どこに住みたい?
そんな一言から始めるのもアリですね。
高齢者見守りサービス、使ってみました
離れて暮らす母も、いよいよ後期高齢者になり、「何かあったとき、すぐ気づけるだろうか」と心配になってきました。
そこで始めたのが、高齢者見守りサービスです。
- できるだけ親の介護を遠ざけたい
- 離れて暮らす親のちょっとした変化を見逃したくない
- 親の生活と自分の生活、どちらも守りたい
どの選択肢がよいか迷ったら、まずはどんな「見守りサービス」があるか知ることから始めましょう。



見守りサービスを徹底比較しました!
▶ 高齢者見守りサービス12社を比較!【令和版】心配を安心に変える方法


財産・資産の棚卸しと共有
資産をリストアップ
資産の棚卸しとは、自分が持っている資産をすべて洗い出し、その価値や内容を把握すること。



今まで築き上げてきた大切な財産です。
たとえば、こんなものが含まれます:
- 節約してきたお金(いわゆる“へそくり”)
- 集めたコレクション(骨董・美術品など)
- 不動産や車などの資産
- 長年払い続けてきた生命保険・医療保険
これらは、目に見えるものばかりではありません。
でも、「すべて把握できている」方は少数派です。
「何がどこにあるのか?」「名義は誰か?」など、親と一緒に棚卸しをしてみましょう。
とはいえ、お金の話はデリケート。
いきなり深掘りすると警戒されることも。



「資産一覧を書いて、保管場所だけ教えて」と母に頼みました。
保険は“入ってるだけ”ではダメ?
保険も資産の一部。
でも、年齢や生活状況によっては、内容が合っていないこともあります。
- 今の保障内容で老後のリスクをカバーできる?
- ライフスタイルに合ったプランになってる?
- 死亡保険の金額は多すぎない?少なすぎない?
「入っていれば安心」ではなく、“今の自分にとっての適正”を見直すことが大切です。
加入中の保険一覧と請求方法を一緒に確認しておきましょう。



保険証券がどこにあるかだけでも聞いておくと安心です。
借金やローンも見逃さない
忘れてはいけないのが、マイナスの資産です。
たとえば:
- 消費者金融・カードローンの借金
- 自動車ローン・住宅ローンの残債
- 連帯保証人になっているケース
プラスの財産よりマイナスが多いと、相続人が借金を背負う可能性があります。
その場合、「相続放棄」という選択肢も。



私も相続放棄の手続きを経験しました。
その体験を正直にまとめましたので、参考にしてみてくださいね。
▶ 相続放棄を自分でやってみた!体験談ブログ【かかった費用は4,320円】


デジタル資産やパスワードの整理
見えない資産「デジタル終活」って?
スマホひとつで多くのことができる今の時代、デジタル資産の管理はとても重要です。
「デジタル終活」とは、生前にデジタル上の資産やアカウント、情報を整理し、もしものときに備えること。
デジタル資産にはどんなものがある?
以下のようなものが、デジタル資産に含まれます:
- ネット銀行
- ネット証券口座の株式・投資信託など
- 仮想通貨、暗号資産
- 電子マネー、キャッシュレス決済の残高(PayPay・WAON・nanacoなど)
- マイレージやポイントサービス(航空会社のマイルなど)
これらは目に見えず、管理者本人しか知らないケースが多いため、家族があとから整理するのは本当に大変です。



「なにがなんだかわからないよ…」
という親世代の声もよく聞かれます。
そんなときは、子ども世代が一緒に整理をサポートすることが大切です。
スマホのロック、解除ができない?
デジタル終活の第一歩は、「スマホのロック解除コード」を共有すること。
実際、もしものときにスマホが開けなければ、
- 電話帳に誰がいるかわからない
- メールや銀行アプリにアクセスできない
- サブスクの解約ができない



といった問題が山積みになります。
「解除業者に頼めばいい」と思っても、高額な費用がかかるうえ、確実に解除できるとは限りません。
1分でできる「スマホのスペアキー®」を活用
スマホのロック解除やパスワードの管理には、簡単で安心なアイテムもあります。



私たちが使っているのが、「スマホのスペアキー®」。


スマホやパソコンなどのID・パスワードを記入
→ 修正テープで消しておく
→ 必要なときはコインで削って確認!
というシンプルな仕組みで、誰でも簡単に始められるデジタル終活です。



「1分でできるデジタル終活」ですね。
「スマホのスペアキー®」ダウンロードはこちらから
「スマホのスペアキー®」は、ジャーナリストの古田雄介さんの公式サイトから、無料でダウンロード可能です。
親と一緒に進めることで、デジタル資産の整理はもっとスムーズに、そして安心感ある時間になります。
STEP 2|親の意思・想いを形にする


エンディングノートの作成
「まだ早い」と思っていませんか?
実はエンディングノートは、今の思いを“未来”に残す準備なんです。
「そんなのまだ早いよ」
「縁起でもないし、気が進まない」
母にエンディングノートの話をしたとき、最初はそんな言葉が返ってきました。
でも、私が先に少しだけ書いてみて、そのページを見せてみたんです。



書けるところだけ、書いてみたよ。



えっ、これだけでいいの?ちょっと書いてみようかな。
そう言って、母の表情が少しやわらかくなったのを覚えています。
誰かにやれと言われるより、「やってみたいな」と思えるきっかけが大切なんですね。
エンディングノートには、人生の棚卸しや医療の希望だけでなく、大切な想いや感謝の言葉、伝え残したことまで、自由に記録できます。
とはいえ、いざ書こうと思っても、意外と筆が進まないもの。
エンディングノートを前にして「何から書けばいいの?」と手が止まってしまう人は少なくありません。
そんなときは、スムーズに始めるための “3つのコツ” をぜひ参考にしてみてください。
✅ チェックリスト(そのまま活用OK!)
一気に書こうとせず、少しずつ重ねるここでは、そんなときに役立つスムーズに始めるための3つのコツをご紹介します。
最初の1ページから書こうとしない
正直な気持ちをそのまま書く
- 最初の1ページから書こうとしない
- 正直な気持ちをそのまま書く
- 一気に書こうとせず、少しずつ重ねる



私が使っているエンディングノートはこちらです。
1. 最初の1ページから書こうとしない
いざ書こうと思っても、意外と筆が進まないもの。
そんなときに役立つ「始めやすくするコツ」があります。
エンディングノートは、必ずしも「順番通りに書く」必要はありません。
むしろ1ページ目から進めようとすると、つまづいてしまう人も多いんです。
- 「資産のことを書いておきたい」
- 「ペットのことから書きたい」
- 「もしものときの希望を残したい」
書きやすい項目から始めてOK!
まずは「書けそう」と思えるページから手を動かしてみましょう。



目次を見ながら「ここなら書けそう」と選ぶのがおすすめです!
2. 正直な気持ちをそのまま書く
誰かに読まれることを意識しすぎると、「こう思われたい」という気持ちが先に立ってしまいます。
でも、それでは本当の気持ちは残せません。



「いい人に見られたい」より、「本音を伝えたい」気持ちで。
たとえば、「まだ供養の方法が決まっていない」「お墓の希望は特にない」といったことでも、書いておくことが大切です。
「今の気持ちを正直に書く」ことが、2つ目のコツです。
3.一気に書こうとせず、少しずつ重ねる
エンディングノートは、完成を目指すものではなく、「更新していくノート」です。
ひとつ書き始めると、テレビや広告、新聞などの終活の話題が不思議と目につくようになります。



意識が向くと、自然と情報も集まってきますよね。
書きたい項目が出てきたときに、少しずつページを埋めていけば大丈夫。
焦らず、「書き重ねるノート」として取り組むのが、3つ目のコツです。
エンディングノートの作り方やおすすめの項目については、こちらの記事で詳しく紹介しています。
▶ エンディングノートの作り方とは?書いておきたい項目と注意点まとめ
遺言書の有無と内容の確認
親がどんなふうに人生の幕を引きたいと思っているのか。
その思いをきちんと形にしておく方法のひとつが、遺言書です。
遺言書があることで、家族間のトラブルを防ぎ、親の「最後の意思」を確実に伝えることができます。
まずは、親がすでに遺言書を作っているかどうか。そして、どの種類の遺言書なのかを確認しておきましょう。
遺言書には、主に3つの種類があります
- 自筆証書遺言
本人がすべて手書きで作成。費用がかからず簡単ですが、紛失や無効になるリスクも。 - 公正証書遺言
公証人が作成。法的効力が高く安心ですが、手続きと費用が必要です。 - 秘密証書遺言
内容を秘密にしたまま、本人が作った遺言を封印して公証人に預けます。
それぞれにメリット・注意点がありますが、大切なのは「親の意思が確実に伝わる形」になっているかどうか。



作っただけで満足せず、内容と保管場所も確認しておくのがポイント!
遺言書をつくるときのチェックポイント
- 「誰に」「何を」「どれくらい」相続させるかを明確に書く
- 言葉はあいまいにせず、具体的に
- 状況が変わったら、内容も更新を
- 信頼できる人に、遺言書の存在と保管場所を伝えておく



もめごとの多くは「あいまいな表現」が原因なんです。
家族ができる、やさしいサポート
遺言書づくりは、親にとっても決して簡単な作業ではありません。
「何をどう残すか」ということを言葉にするのは、心の整理でもあるからです。
だからこそ、サポートする側は“口出ししすぎず、でも寄り添う”姿勢が大切です。
- 「私も知っておきたいから」とやんわり話題に出してみる
- 親の考えを聞く時間をつくる
- 複雑な内容や財産がある場合は、専門家に相談することも視野に
遺言書があることで、親の気持ちを守り、残された家族の心の負担をぐっと軽くすることができます。



「元気なうちに」が、遺言書づくりのいちばんのタイミングです。
STEP 3|将来の暮らしとお別れへの準備


老後の住まいを一緒に考える
親が高齢になると、暮らしの中で「この家でこのまま生活していけるだろうか?」という不安が出てきます。
年齢を重ねることで身体の自由が利きにくくなり、思いがけない転倒やケガのリスクも高まります。
だからこそ、早いうちから家族で住まいについて考えておくことが大切です。
目的は、親が安心して、できるだけ自立した生活を送ること。
そのために、どんな選択肢があるかを知っておくと、将来の備えにもつながります。



老後の住まいには、おもに4つの選択肢があります。
今の家をリフォームして住み続ける
段差をなくす、手すりを設置する、浴室を滑りにくくするなど、家の中を安全に整えることで、転倒などの事故を防ぎやすくなります。
また、断熱性を高めておくとヒートショックのリスク軽減にもつながります。
親が「できれば住み慣れた家で暮らしたい」と思っている場合には、まず検討したい方法です。
コンパクトな家に住み替える
利便性の高い場所のコンパクトな家に移り住むことで、車がなくても病院や買い物へのアクセスが楽になります。
また、車を手放すことで維持費の負担も減り、経済的にも安心です。
親の運転が気になる方は、こちらの記事もご覧くださいね。
子ども世帯と同居・近居する
介護や見守りが必要になったとき、すぐにサポートできる距離に住んでいると安心です。
最近では、同じ敷地や徒歩圏内で暮らす「近居」というスタイルも増えています。



お互いに無理なく支え合える関係を築けるのが魅力ですね。
高齢者住宅・施設を利用する
体調の変化や介護が必要になったとき、支援体制が整っている高齢者向け住宅や介護施設に入居するという選択もあります。
食事や生活支援、医療サポートが受けられることで、本人も家族も安心して過ごせます。



気になる施設があるなら、情報だけでも集めておきましょう。
地域や予算に合わせて簡単に検索 ・資料請求も無料で、自宅で比較できます。
身辺整理・断捨離®のサポート
高齢の親と「片づけ」を進めるためのコツ
高齢の親にとって、物を手放すことは「思い出を手放す」ことでもあります。
そのため、若い世代が思うように一気には進まず、ちょっとした声かけや工夫が大切です。
たとえば、「これ捨てようか」ではなく、「一緒に仕分けしてみようか?」と声をかけるだけで、親の反応が変わることもあります。



また、次のような工夫が効果的です。
- 引き出し1つ、棚1段など小さな場所から始める
- 思い出の品には耳を傾ける
- 捨てるか迷ったものは「保留箱」に入れる
こうした丁寧な関わりが、「もう少し片づけてみようかな」という前向きな気持ちにつながります。
▶ 私たちがはじめた、やさしい生前整理はこちらで紹介しています。


身の回りの整理は、心の整理にもつながる
家の中にある多くの物は、これまでの人生の証でもあります。
けれど一方で、今はもう使わない物も少なくありません。
何を残すか、何を手放すかを一緒に考える作業は、自分自身の価値観を見つめ直すきっかけにもなります。



すっきりした空間で過ごすと、気持ちも明るくなるわ。



そんな声が聞けるかもしれません。
安心・安全な住環境をつくるために
実家の整理は、気持ちの整理だけでなく、転倒予防という大きなメリットもあります。



高齢の親が暮らす家では、「床に物を置かない」のが大原則。
たとえば、使っていない健康器具や新聞の束が置かれていないか、一緒にチェックしてみてください。
ちょっとした見直しで、家の中の事故リスクを大きく減らすことができます。
不用品回収サービスも上手に活用
大きな家具や大量の荷物が出てきたら、不用品回収サービスを利用するのもおすすめです。
最近では、一括見積もりサイトで複数の業者を比較できるので、費用の目安もつかみやすく、安心して依頼できます。



不用品の片付けを業者に頼むなら、まずは比較から始めましょう!
▶ いろんなお困り事を一括見積もり!【一括見積コンシェルジュ】


葬儀の希望やスタイルの確認
人生の最終章を迎えるにあたって、大切にしたいのが「葬儀についての準備」です。



まずは、親が葬儀を希望しているかどうかを確認しましょう。
もし希望している場合は、どんな形で行いたいのか。
たとえば形式、流れ、葬儀社のプランなどについても、少しずつ情報収集を始めておくのが安心です。
葬儀はやり直しができない
家族が亡くなった直後、深い悲しみの中でも、手続きや準備に追われる現実があります。
知識がないまま進めてしまうと、後から「こうすればよかったのに」と後悔することも。
だからこそ、事前に葬儀の流れを知っておくことが大切です。
▶ 詳しくはこちらで解説しています:
葬儀準備のススメ|まずは「亡くなったあとの流れ」を頭に入れる
葬儀の形式、どれを選ぶ?
葬儀のスタイルには、おもに4つの選択肢があります。


- 一般葬:多くの人が参列する伝統的な葬儀
- 家族葬:家族やごく親しい人のみで行う小規模な葬儀
- 一日葬:通夜を省き、1日で葬儀・告別式・火葬までを済ませる
- 直葬(火葬式):儀式を行わず、火葬のみで見送るシンプルな形式



それぞれに特徴とメリット・デメリットがあります。
親の価値観や家族の事情に合わせて、どのスタイルが最もふさわしいかを一緒に考えておきましょう。
▶ 葬儀形式の違いについてはこちら:
最近の傾向は?葬儀の形式の違いを徹底リサーチ
葬儀の準備に役立つサービス・情報サイト
「どんな葬儀にすればいいか」「費用はどのくらいかかるのか」



初めての葬儀準備は、わからないことだらけです。
そんなとき頼りになるのが、実績豊富な葬儀サービスの情報サイト。
費用の目安やプラン内容、希望に合う葬儀スタイルもわかりやすく紹介されています。
気になったサービスは資料請求や無料相談も可能。
今のうちに情報を集めておくだけでも、いざという時の安心感が変わります。
- よりそうのお葬式|全国対応・明瞭価格で人気の葬儀サービス
- 小さなお葬式|資料請求で費用や内容をしっかり比較できる
- 家族葬のこれから|シンプル&心に残るお葬式を提案
- 心に残る家族葬|故人らしいお見送りをサポート
- 感謝のお葬式|低価格×高品質な直葬・家族葬が可能
情報収集は早いほど、選択肢も広がります。



あとまわしにせず、今のうちから少しずつ備えておきましょう。
▶ 葬儀社選びのコツはこちらにまとめました:
葬儀社選びを成功させる!納得のいく選び方3ステップ
お墓や供養のかたちを選ぶ
どこに眠りたいか?を考えてもらう
「最期は、どこで、どんなふうに眠りたいか」
その問いに向き合うことは、親自身の希望を明確にし、家族にとっても安心につながります。
お墓の準備を考える際は、場所や形式だけでなく、
- 家族が通いやすい場所か
- 維持や管理がしやすいか
といった視点も大切です。



将来の負担を見越して話し合っておくと、後悔せずにすみます。
お墓を持たない選択肢
「子どもに迷惑をかけたくない」「お墓を維持する人がいない」などの理由から、お墓を持たない供養を選ぶ人も増えています。



納骨堂・樹木葬・海洋散骨など、さまざまな供養のスタイルがあります。
ただし、本人だけで決めてしまうと後から家族とのトラブルになることもあるため、事前に家族としっかり話し合うことが何より大切です。
▶ 詳しくはこちらの記事で紹介しています:
「お墓はいらない」と思う人の墓活!心から満足できる供養方法の選び方
墓じまい急増中!
最近は、既存のお墓を整理する「墓じまい」を選ぶ家庭も少なくありません。
理由はさまざまですが、
- 墓地が遠方で、なかなかお参りに行けない
- 承継者がいない
- 高齢でお墓の管理が難しくなってきた
といった背景が多く見られます。
特に親が高齢になると、墓参りや清掃のために遠方まで行くこと自体が大きな負担に。
墓じまいは時間も費用もかかるため、元気なうちに家族でじっくり話し合っておくのがおすすめです。



地域・費用・手続きの流れがわかると安心ですね。
▶ 墓じまいについての詳しい手順はこちらで解説しています:
お墓を移すってよくないの?終活ガイドが費用と手続きの流れを解説
終活の話題をうまく切り出す方法


親に終活の話をするのは、気まずさや抵抗を感じることもあるかもしれません。
でも、ちょっとした言い方やタイミングを工夫するだけで、驚くほど話しやすくなることもあります。
ここでは、私が実際に試してうまくいったアプローチ方法を3つご紹介します。



ぜひ参考にしてくださいね。
親の不安にまずは耳を傾ける
終活の話を切り出す前に大切なのは、親の不安や本音を受け止める姿勢です。
たとえば、親が「最近、体が思うように動かない」とこぼした時に、「具体的にどんなことが心配?」と聞いてみることで、自然と終活の話につなげることができます。
「捨ててほしい」と迫るよりも、「何か手伝おうか?」という寄り添いの言葉が大切です。



親の立場に立って、安心できる空気をつくるのがポイントです。
自分の将来のこともオープンに話す
終活=親の問題、ではありません。
自分自身も老後について考え始めていることを素直に伝えることで、親の心のハードルも下がります。
「私も最近、エンディングノート書いてみたんだよ」
「まだ先の話だけど、老後資金どうしようか考え始めてて…」
こういった“共有”がきっかけになり、親にも「自分のこととして考えてみようかな」という気持ちが芽生えることがあります。



自分の話から始めると、押しつけにならず自然な流れになります。
「もしも」の話題から入る
終活という言葉を直接出すのが難しいときは、「もしもの話」から始めてみましょう。
たとえば、身近なニュースや親戚の出来事などをきっかけに、
「もし倒れてしまったとき、どうしてほしい?」
「延命治療って、どう思ってる?」
といった問いかけをしてみてください。
強く踏み込まず、まずは「話しておいても損はないかもね」という空気をつくることができます。



“もしも”の話は、終活を話しやすくする自然な入口になります。
終活、何から始める?親との向き合い方【Q&A】
- 終活をやらないとどうなる?
-
本人の希望がわからないまま家族が判断を迫られる場面が多くなり、延命治療や葬儀、相続などで「もっと早く話しておけばよかった」と後悔するケースが少なくありません。
- 終活で親に聞いておくことは?
-
医療・介護の希望、財産の状況、スマホや銀行などのパスワード、遺言書の有無、葬儀や供養の希望など、本人の意思をもとに家族が動ける情報を確認しておくことが大切です。
- エンディングノートはいつ渡す?
-
親が元気なうちがベストタイミングです。いきなり渡すのではなく、自分も書いてみたことを話したり、一緒に少しだけ書いてみるなど、自然な流れで提案するのが効果的です。
- 親に終活の話を切り出すにはどうしたらいい?
-
「もしものときどうしたい?」など自然な会話の流れやニュース・身近な話題をきっかけにすると話しやすくなります。また、自分の老後の話題から始めると、押しつけ感なく伝えられます。
- 終活でまずやるべきことは何?
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まずは緊急時の連絡先リストや医療・介護の希望、財産の棚卸しなど、万が一のときに家族が困らないよう「基本情報の整理」から始めるのがおすすめです。
【まとめ】終活は“今”が始めどき!家族でできることから始めよう
- 終活は“まだ元気なうち”に始めるのが大切
- 親と話すことで、延命治療・葬儀・資産の不安を減らせる
- 「もしもの話」や「自分の老後の話」から切り出すとスムーズ
親の終活は、残された家族のためだけでなく、親自身が安心してこれからの時間を過ごすための準備です。
「まだ早いかな…」と思っていても、気づいた今こそが始めどき。
無理なく、話しやすいところから少しずつ始めていきましょう。



まずは、できることから一歩ずつ。安心の未来を作っていきましょう。
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