エンディングノートの作り方とは?書いておきたい項目と注意点まとめ

この記事で解決できるお悩み
  • がんばらない書き方、作り方のコツを知りたい!
  • エンディングノートには何を書くべき?
  • エンディングノートと遺言書は両方必要?

【PR】この記事には広告を含む場合があります。

こんな悩みを解決できる記事を終活ガイドが書きました。

本業は総合病院(眼科)に勤務しています。医療系FPとしてセミナー講師・地方紙でコラムを連載した経験があります。

がんサバイバーの母と終活をはじめるために終活ガイド1級、さらにエンディングノート認定講師資格を取得しました。

「書いておけば、いざというとき安心だと思う。でも、最後まで書き上げる自信はないんだよね…



エンディングノート(終活ノート)に興味がある方へ、がんばらずに書ききるコツをわかりやすく紹介します。この記事を最後まで読めば、自分らしい人生のガイドブックの作り方がわかりますよ!

ちなみに、終活ノートとエンディングノートは呼び方の問題で、基本同じものです。

ただ「エンディング」という言葉が好きではない声をよく耳にするのでここからは、終活ノートで統一してあります。

もっとポジティブな言い方はないのかな。

目次

終活ノートはがんばらなくていい

終活ノートは、豊かな人生をおくるためのもの。そして、最終章に向けて準備を始めるときに役立つ重要なツール。

「豊か」の定義はひとそれぞれでしょうが、私が考える「豊かな人生」は

自分の必要なモノ、ほしいモノがほどほど手に入る人生

そして、自分の希望がほどほど叶う人生

つい先日、朝起きたら首が動かなくなっていて、それから地獄のような5日間を過ごすことに。首が痛すぎて、ほぼ眠れず辛かった……。

おそらく、パソコン作業を連日夜中まで続けたのが原因。まもなく50代に突入しますが、若いころのようにがんばりすぎはいけません(体験談)!

終活ノートも同じこと。

途中で挫折した、または、買ったのにそのままになっているという声をよく耳にします。

せっかく終活に興味をもって準備したのに、もったいないですよね。

終活ノートを書き上げるコツは、自分自身と向き合いながら、がんばりすぎないペースで書き続けることです。

終活ノートの作り方3つのコツ 

① 1ページ目から書かない

1ページ目から順番に書いていくと、途中で迷ったり挫折したりする可能性が高い。

なぜなら、終活ノートは自分の書きたい順番に並んでいるわけではありません。

たとえば

  • 資産の棚卸しをして、まとめておきたい
  • もしものときの意思表示(延命治療など)をしたい
  • 愛犬のために、ペットについてのページから書きたい

など、ひとりひとり書きたいと思っているページは違いますよね。

もし、1ページ目から順番に書くとどうなるかイメージしましょう!

その
書くことが思いつかないページが出てきた!
その
「調べてからじゃないと書けそうもない…」
その
書くのが面倒になって挫折

そうならないために、まずは目次をながめて、書けそうな項目から書きはじめるのが、1つ目のコツです!

全体像を把握したら、自分にとっての1ページ目を見つけましょう!

② 自分の気持ちに正直に

終活ノートは、家族や大切な人に読まれることを前提に書きはじめる人が多いはず。

読まれることを前提に書くとどうなるか、イメージしましょう。

その
終活ノートを読む人を意識する(いい人と思われたい)
その
その結果、本心ではなく都合の良いことを書いてしまう
その
「これじゃ、書く意味ないような気がしてきた~!」

こうならないためには、書きたくないところ、書けないところは無理に書かない。

つまり、自分の気持ちに正直に書くのが、2つ目のコツ。

たとえば、お墓についてのページで、自分が入る予定のお墓が「ない」と書く。そして、具体的な供養方法はもう少し考えてからにする。

このように、書けるところを書いたら、また目次に戻って、自分にとっての2ページ目を探しましょう!

「空欄があっても気にしない」ことで、終活ノート作成がはかどりますよ!

③ 少しずつ書き重ねる

終活ノートは、一度で書ききるのではなく、書き重ねていくモノ。

少しずつ書いていき、最終的にすべてを書ききればいいのです。

これまでのコツも踏まえて、書ききるまでの流れを見てみましょう。

では、

その
目次をながめて全体像を把握
その
自分の気持ちに正直に、書けるところだけを書く
その
と同時に、埋められなかった項目(潜在的な問題)に気づく
その
問題を解決するのに必要な情報が自然に入っている
STEP
そのタイミングで自分の考えをまとめてみる
STEP
まとまった情報を終活ノートに書き足していく

もしかして、「必要な情報が自分の元に届いていない」のが、書けない理由になっているのかもしれません。

たとえば、趣味でギターを習い始めたとします。

それまでは、楽器屋のギターコーナーにはまったく興味がなかったのに、街のあちこちにギター関連の商品が売られていることに気づくようになります。

興味を持ち始めたり、自分の生活の一部になったりすると、それまであまり注意をはらわなかったモノに意識が向きはじめるってこと、ありますよね?

このように、終活ノートがきっかけで、終活が自分にとって身近なモノになると、テレビや雑誌、電車内の広告など、世の中には「終活」の情報があふれていたことに気づくはず。

すると、問題を解決するような情報が自然と目についたり、書けていない項目について考えがまとまってくることがあります。

つまり、「自分にとっての豊かな人生」を意識しながら生活していると、終活に必要な情報が、必要なタイミングで、自分の元に届く、というわけです。

引き寄せの法則みたい!

これくらい、ゆったりとした気持ちで少しずつ書き重ねていく。これが3つ目のコツです!

はじめに書きたい項目3選

どのページを書こうか迷ったら、まずはこの3つから!

自分のこと

まず、最初に書きやすい項目は「自分のこと」。

何よりもまず、本人であることの確認が必要です。

氏名や生年月日、住所などの基本情報はもちろん、ニックネーム、好きなモノ、嫌いなモノなどで、いわば自己紹介ページのようなものです。

もしものとき、さまざまな手続きや情報と照らし合わせる時に、これらの基本的な情報が必要となります。

この項目はスラスラ、あっという間に書けました。

葬儀・供養について

人が亡くなった際、最初に取り組むことの一つが葬儀の手配です。

そのため、早めに希望を明確にしておくことは、遺族にとって非常に役立ちます。

昔と違い、葬儀スタイル・供養方法は多種多様。

自分の葬儀はどのように行いたいのか、どのように供養してほしいのかなど、家族と話し合い具体的に書いておきましょう。

  • 希望の葬儀スタイル
  • 葬儀の規模
  • 宗教宗派、菩提寺の有無
  • 自分が入るお墓の有無
  • 希望する埋葬、供養について

これを書くには、基礎知識が必要だ…ということで、葬儀の情報集めから始めました。

葬儀のことは、葬儀社に相談するのが確実。

でも、まだそこまでは…というときに使えるのが、インターネットを利用したWEB資料請求。

スキマ時間で手軽に情報収集できるので、忙しい私にはピッタリでした!

私が資料請求した葬儀社

(ちょっと心配だったこと…現時点で、営業電話などはかかってきていません。)

相続財産や遺言について

資産や財産は、遺族の経済的な状況や相続に関わるページなので、とても重要。

これをはっきりしておくことで、後のトラブルや不明瞭な点を減らすことができます

  • 預貯金
  • 株式、投資信託
  • 不動産
  • クレジットカード
  • 遺言書の有無

これらの資産の所在や内容を明確にしておくことで、遺族が必要な手続きをスムーズに進めることができます。

プラスの財産だけでなく、借金などマイナスの財産もすべて書きましょう!

父が亡くなった時、相続放棄したので、自分の時はちゃんとしておきたいという思いが強いです。

他にある!終活ノート基本項目

終活ノートによって、内容は異なりますが、その他の基本項目をご紹介します。

医療・介護について

老いや病に直面したとき、自分がどのような医療・受けたいのか、どのような介護を希望するのかを書いておくページです。

  • 病気の告知について
  • 延命治療について
  • 臓器提供について
  • 要介護になったときの希望
  • 介護費用について

「もしものとき、どうするか」の希望を伝えておけば、家族の負担は確実に減らせます。

ペットについて

愛犬や愛猫など、飼っているペットについて記載するページです。

  • ペットの生活習慣や特徴
  • 自分にもしものことがあったらどうするか
  • かかりつけ獣医の情報

デジタルデータについて

パソコン、スマートフォンのロック解除パスワードなど、亡くなったあとに必要となる情報をリスト化しておくページです。

  • パソコン、スマートフォンのパスワード
  • SNSのアカウント、パスワード
  • プロバイダ、サーバーの情報
  • 亡くなったあとの処理方法

デジタル分野の終活「デジタル終活」は、いまや必要不可欠なものになりましたよね。

連絡先について

親戚や友人の連絡先などや、家族間で共有すべき情報などをまとめておくページです。

  • 親戚の連絡先
  • 親しい友人や職場の同僚の連絡先
  • かかりつけ医やケアマネージャーなどの連絡先

名前と連絡先のほか、自分との関係性も書いておくと、いざ連絡するときにスムーズ!

家族へのメッセージ

思いを伝えることが大切なので、形式や構成などは自由です。

手紙風に書いてもいいですし、文章が苦手なら箇条書きでも大丈夫!

  • 夫(妻)へのメッセージ
  • ご両親へのメッセージ
  • 子どもへのメッセージ
  • 孫へのメッセージ
  • その他、大切な人へのメッセージ

終活ノートの注意点まとめ

作り方のコツがわかったら、次に注意点もしっかりおさえましょう!

法的効力はない

終活ノートはあくまで自分の意志を家族に伝えるためのものであり、法的な効力を持つものではありません。

相続に関する内容を書く人がいますが、遺言書と終活ノートは異なるものと理解しておくことが重要です。

遺言書については、この後の【知っトク終活】で解説しています。

暗証番号やパスワードは記載しない

銀行やクレジットカードの暗証番号を記載すると、不正に利用される恐れがあります。

また、スマートフォンのロック解除パスワードなど、終活ノートに書きたくないモノは、コピーした紙に書き、終活ノートとは別の場所に保管しておくと安心です。

定期的な見直しが必要

終活ノートは一度書けば終わり…というモノではありません。

人生は変化の繰り返し

そのため、ライフステージの変化、価値観の変化、法律の変更などに合わせて定期的に見直しましょう。

誕生日やお正月などに毎年1回、または大きな生活の変化があったときに見直し、必要なら更新しましょう。

「今の気持ちをとりあえず書いてみる」感じで十分です!

書き直したときは、日付を記入

終活ノートを更新したら、その日付を書くことをお忘れなく!

なぜなら、最後に終活ノートを見直したときがはっきりと示されるからです。

そのとき、前に書いたものは二重線で消しておきましょう。

作成したこと・保管場所を伝える

終活ノートは大切な情報が詰まっています。

安全に保管しつつも、必要なときにすぐに活用できるよう、保管場所は家族と共有しておきましょう。

「終活ノートの作り方」よくある質問

終活ノートはいつから書きはじめるべきですか?

はじめたいと思ったときが、はじめ時です。一般的には40歳以上からはじめる人が多いようです。

終活ノートは自分一人で書くべきですか、それとも家族や友人と一緒に書いても良いのですか?

終活ノートはあくまで自分の意志を伝えるためのものなので、基本的には自分一人で書くことが一般的です。ただし、家族と一緒に書くことによって、良好な関係を築けることもあります。

終活ノートは電子化しても良いのでしょうか?

電子化すること自体は問題ありません。ただし、電子データの場合、パスワードの管理やデータ消失のリスク、プライバシー保護の観点など、紙のノートとは異なる注意点があります。

まとめ

今回は、がんばりすぎない終活ノートの作り方について解説しました。

3つのコツを再確認します!

  • 1ページ目から書かない
  • 自分の気持ちに正直に
  • 少しずつ書き重ねる

終活ノートはがんばらないペースで書き重ねていくと、自分らしい人生ガイドブックが完成します。

そして、自分の終活ノートが完成したら、次はその経験を活かして、親と終活のはなしをしてみましょう。

下記の記事で紹介しているので、あわせて読んでみてください。

>>終活しない親に確認することと切り出すコツを伝授!

【知っトク終活】遺言書との違いは?

遺言書とは?

遺言書とは、自分が亡くなった後、財産を、誰に、どのくらい残すかについて、意思表示を残しておくための法的な文書です。

遺言書は15歳から作成可能で、何度でも作り直すことができます。

ただし、医師に認知症(の疑いがある)と診断されている場合、精神疾患などにより意思能力がないとされた場合は、遺言書を作成することができません。

「満15歳に達した者は、遺言することができる」

民法第961条

遺言書を作成するなら、元気なうちに!

遺言書には

  • 自筆証書遺言
  • 公正証書遺言
  • 秘密証書遺言

の3種類がありますが、作成される遺言書の大半は、「自筆証書遺言」「公正証書遺言」です。

自筆証書遺言

自筆証書遺言は、自分で直接書いて遺言書を作成する形式です。

メリット・デメリット
  • ひとりで作成できる(日付・氏名を自筆、押印が必要)
  • 費用がかからない
  • 秘密にできる
  • 作成に不備があると無効
  • 紛失や改ざんの可能性がある
  • 亡くなった後、遺言書が正しいものか確認する手続き(検認手続き)が必要
  • 発見されないリスクがある

公正証書遺言

公正証書遺言は、公証人(法律の専門家)が立会いのもと遺言書を作成、保管を依頼する形式です。

メリット・デメリット
  • 紛失する危険性がない
  • 公証人が作成するため不備がない
  • 亡くなったあと、検認手続きが不要
  • 証人が2人以上必要
  • 手間と作成費用がかかる

出典:終活協議会資料

もし、自筆・公正証書遺言の両方が発見された場合は、日付が後に作成されたものが優先されます。

お互いに補完しあう存在

終活ノート(エンディングノート)と遺言書の大きな違いは、「法的効力」があるかどうかです。

遺言書は法律的な効力があり、自分の財産について明確な指示を残すことができます。

一方で、終活ノートは法的な効果はありませんが、葬儀の希望、大切な人へのメッセージ、財産情報など、さまざまな思いや情報を残せる大切なツールです。

終活ノートと遺言書は、お互いに補完しあう存在であり、両方を用意することで、自分の思いをしっかりと伝えることができます。

終活ノートの作り方はだいだいわかった!という人は、「終活やることリスト」を確認!

下記の記事もあわせて読んでみてくださいね。

>>【体験談】めざせ親孝行!親とはじめる「終活やることリスト10選」

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