- そろそろ親に終活の話を切り出したい
- 親のために終活の知識を学んでおきたい
- 自分の生活を守るため、親の老後に関する不安を解消したい
団塊世代の親を持つ終活ガイドが書きました!
これまでは、医療×FP×ケアマネの分野で、各種セミナーや新聞のコラムを担当してきました。
「終活」の話題、親にはなかなか切り出しにくいものですよね?
私の母は半年前まで、終活にまったく興味がなく、その話題を避けていました。
親はいつまでも元気でいてくれると思いがちですが、いつかは亡くなるものです。
そのとき、親が終活をしていないと、子どもはさまざまな困りごとに悩まされることも。
そこで、私は終活ガイド資格を取り、親に確認することをリストにまとめました。
リストはただの手順書ではなく、親とのコミュニケーションツールでもあります。
そして、このリストがきっかけで、ちょっと聴きづらかったことも話せるようになり、少しずつですが、母の思いを理解できるようになりました。
親子のコミュニケーションは大事ですね!
今では、抱えていた問題点に自ら気づき、終活を前向きに取り組んでくれるようになりました。
「終活やることリスト」は、終活への道を示す「道しるべ」。
終活の大切さを親に理解してもらうためには、まずは自分(子ども)が終活を学ぶことから。
最後までご覧いただけると、これは使えそう!と思える項目があるはずです。
それでは、終活をはじめる前に知っておきたいポイントをわかりやすく解説していきます!
親の終活は必要?
親が終活してくれていれば…
終活をしなかったらどうなるの?
私の答えは、残された人々が突如として暴風雨にさらされるような状況がやってくる、といった状況。
私の父は入院中、コロナに感染したため隔離室に移されていました。
そして、ストレスがたまっていたのか、主治医に「ここから出せ!」と大騒ぎしている状態でした。
私が仕事中、叔母からの不在着信があり、何かあったのかと心配になり、電話をかけてみると、
「あなたから電話をかけて、落ち着くように説得して」とのこと。
いやいや、今仕事中だから。勘弁してよ…。主治医の先生は大変だろうけど、元気そうでよかったじゃん。
実際、隔離期間が終わり、リハビリがある程度進めば、退院する方向で話は進んでいました。
しかし、2日後の朝7時、主治医から電話がかかってきました。
内容は、前日の夜から病状が急変したこと。もう意識はないこと。これからの治療はどうするかの確認。
いわゆる延命治療をするか、しないかってやつですね。でも、もう父に希望は聴けないので、家族が判断する必要があります。
医療のはなしって一般的に難しい内容だし、ましてや延命治療をどうするかなんて瞬時に決められることではないと思うんです。
実際、私と同じように電話がかかってきた弟は「責任が取れないので、自分は決められない」と主治医に答えたとのこと。
私は総合病院に勤めていることもあり、病状の説明を受けた時点で、父はもう助からないことはすぐにわかりました。
それでも、もう積極的な治療はしなくていいと伝えるのは、とても辛い出来事でした。
亡くなった直後から、葬儀社は決まっているかと聞かれたり、賃貸マンションを出ていくため遺品整理をどうするか…など、さまざまな困りごとがありました。
この経験がきっかけで、終活ガイド資格を取得しました。みなさんに、同じ思いはしてほしくない!
終活する4つのメリット
自分の意志をしっかりと伝えられる
元気なうちに終活を始めると、家族や大切な人に、自分の思いや希望をしっかりと伝えることができるんです。遺言や葬儀の形式、財産の分け方など、親の意思を共有できていれば、家族間の争いごとが起こる確率はグッと下がります。
家族の負担を減らせる
予期せぬ事態や困難な状況に直面したとき、事前に準備をしておけば、家族はどのように行動すべきか迷うことなく、落ち着いて手続きを進められます。これは、心の負担だけじゃなく、時間やお金の面でも助けになるんですよ。
後悔しないで済む
元気なうちに終活を始めると、後悔することなく自分の人生を終えられます。これからの生き方、亡くなった後のこと、どちらも自分で決められる。つまり、自分の人生を自分でコントロールできるということです。
家族との絆を深めるチャンス
終活は、親が抱えている大切な思いや価値観を家族と共有するいい機会なんです。一緒に終活を取り組むことによって、家族との絆を深めることができますよ。
終活で親に確認すること
終活について、親に確認しておきたいことはありますか?
私はまず3つのことを確認しました。
お金に関すること
- 収入と支出
- 貯蓄額
- 保険の内容
お金の話は時として切り出しづらいテーマ。
しかし、親が元気なうちに、お金に関する大切な話を聴いておくことは、後で困らないために不可欠。
具体的には、親の収入、支出、貯蓄額、保険の内容など、家族全員が把握しておくべきことが多くあります。
まず、親の収入と支出について知っておきましょう。
定期的な収入源は何か、年金や配当など、どれくらいの額があるのか。
また、日々の生活費や医療費、介護費用などの支出も把握しておくと、親の生活が持続可能かどうかもわかります。
次に、貯金額。
親が亡くなったときに、のこされた家族が生活できるだけの資金があるのかを確認。
さらに、介護や医療費などの予想外の出費に備えるため、必要な貯金額はあるのかを確認しましょう。
これは親自身の安心にもつながります!
さらに、保険の内容も重要です。
親が加入している保険の種類とその内容を知ることで、何がカバーされていて何がカバーされていないのかわかります。
また、保険金が出るタイミングなども確認できます。
予期せぬ事態や将来的なリスクに対処するためにも、保険内容は事前に確認しておきましょう!
これらの情報を知ることは、親が突然亡くなったときや認知症になったときなど、予期しない状況に対応するために重要。
しかし、何よりも大切なのは、これらの情報を共有し、一緒に問題を解決するための家族のコミュニケーションです。
相続に関すること
- 財産の全体像
- 相続に対する考え
- 遺言書の存在と内容
終活をする中で、相続について話し合い、準備しておくとは、後のトラブルを避けることができます。
突然の出来事は予測できません。
そのため、親が健康で正確な判断ができるうちに、遺産分けや財産の管理について話し合うことが大切です。
まず、親が持っている財産の全体像を把握することから始めましょう。
これには不動産、金融資産、貴重品などが含まれ、これらの財産リストを作成し、それぞれの価値を評価することが重要です。
また、そのリストは家族全員で共有しましょう。これにより、相続時に誤解や争いが生じるのを防ぐことができます。
次に、親が相続についてどのように考えているかを確認します。
親が望む遺産の分け方を尊重することは大切。
しかし、それが公平でないと感じるときや、家族間で意見が分かれる場合は、親や家族と話し合って解決策を見つけましょう。
この段階では専門家の助けを借りることも有益です!
また、遺言書の存在を確認することも欠かせません。
もし遺言書がなければ、親が自分の財産をどのように分けたいのか、具体的な意向を書きとめてもらいましょう。
また、遺言書がある場合は、その内容を理解し、遺言が法的に有効であることを確認する必要があります。
葬儀・お墓に関すること
- 葬儀に関する希望
- お墓の準備
- 葬儀の費用
親が亡くなると、冷静な判断ができないことが多い。
しかし、事前に葬儀やお墓の準備をしておくことで、そのような困難な時間を少しでも和らげることができます。
また、親が希望する形でお別れをするためにも、この準備は非常に大切だといえるでしょう。
まず、親がどのような葬儀を希望しているかを聴いてみましょう。
特定の宗教儀式があるか、どの程度の規模で行いたいか、また葬儀に誰を呼ぶかかなど、具体的な希望を確認します。
親が亡くなった直後にこれらの決定を迫られると、冷静に判断できず、後悔する人も多いようです。
そのため、家族で事前に話し合い、親の希望を確認することはとても重要です!
次に、お墓の準備を進めましょう。
もし親がすでに墓地を持っている場合、その場所と維持管理に必要な手続きや費用について確認しておきましょう。
また、まだ決まっていない場合、どんなお墓を希望するか、親の意向を尊重しつつ、じっくり比較検討するのがオススメです。
さらに、葬儀費用についても考える必要があります。
葬儀は思いのほか高額になることが多く、突然の出費は家計に大きな影響を与えることがあります。
そのため、親が元気なうちに、葬儀費用の準備や資金計画を立てておくとよいでしょう。
親の亡くなる前に葬儀やお墓の準備を行うことは、悲しみの中でも必要な手続きをスムーズに進め、家族に負担を減らすことができます。
これらの準備は大変なことかもしれません。
しかし、親のため、そして自分のためにも、お互いがストレスを感じない範囲で、早めに取り組んでおきましょう。
終活を親に切り出すコツ
子どもと話したい親は7割超
親の終活について興味を持っている子どもは、70.8%。
そして、親が子どもと終活について話し合いたい希望を持っている人が、76.0%。
出典:「NTTファイナンス株式会社終活に関する実態調査2021」
このデータをみると、親子で終活をはじめる人が多くてもよさそうですよね?
しかし実際は、親の終活状況を知っているには26.0%しかいません。
終活は老後の生活や遺産相続を円滑に進めるなど、重要なものであると認識されているにも関わらず、なかなか話し合いができていないことがわかります。
親が自身の思いや心配事を話すことで、子どもは親の終活をサポートしやすくなるはずです。
「終活」に対する親と子どもの考え方の違い
多くの親たちは、自分の人生の終わりに向けた準備を一人で行いたいと感じています。
つまり、子どもにできるだけ迷惑をかけたくないと思っているのです。
一方、子どもたちは、親の意志を尊重しつつも、何か手伝いたいと思うことが多い。
私の友人は、親が自分の身の回りの整理や葬儀の準備、遺言書作成など、一人で準備を進めていて、子どもはそれについて何も知らなかったそうです。
それが明らかになったのは、父親が突然の病に倒れ、子どもたちが後始末を追われるようになったときでした。
このようなことを避けるには、早いうちにオープンな会話を持つことが大切。
それぞれの思いを共有し、理解しあうことで、終活はもっとスムーズで意義あるものになるはずです。
これが私の考える、終活の理想の形です。
親への終活の切り出し方
もし終活を嫌がっているようなら、まずはなぜ嫌なのか親に確認すること。
そして、終活を知ってもらうことから始めましょう。
私の経験をもとに、オススメの方法を4つご紹介します!
終活の話題を織り交ぜる
普段の会話の中で、終活に関する話題やニュースを自然に取り入れましょう。これにより、親が終活に対して抵抗感を持たず、徐々に興味を持ってくれるようになります。
たとえば、親が親戚や友人などの葬儀に参列した時のはなしを聴くのも、きっかけの一つ。
親の気持ちを理解する
親が終活に対して抵抗感を持っている理由を確認し、理解すること。もし恐怖心や自分の死を考えることへの不安があるならその思いに耳を傾けてみましょう。
もし親が話したくない、考えたくない項目があるときは、決して無理に聴かず、取り組みやすいものからはじめましょう。
終活のメリットを共有する
終活が自分や家族にどのような利益をもたらすのかを具体的に説明しましょう。
たとえば、
- 将来の不安を解消し、心に余裕をもたらす
- 生前整理や葬儀の準備をすることで、家族にかかる負担が軽減できる
- 家族間のトラブルや紛争を予防することができる
- 親子間のコミュニケーションが活発化し、お互いの思いが理解できる
などを伝えてみましょう。
家族に迷惑かけたくないし、ちょっとやってみようかしら。
家族で終活を体験する
終活イベントや講座に親と一緒に参加することで、終活の具体的なイメージを持ってもらいましょう。家族で一緒に取り組むことで、親も終活に対する意欲が高まるはずです。
私の母の場合、「親が終活してくれると、子どもって助かるんだよね!」という切り出し方は、とても有効でした!
私の実体験はこちらで詳しく書いています!
終活で子どもができること
親の終活をサポートするために、子どもができることは以下のようなものがあります。
情報収集を担当
私たちには簡単でも、親にとっては意外とハードルが高め。
確かに、パソコンやスマホでたくさんの情報が得られる時代ですが、多すぎても迷ってしまいますよね?
そんなときは、親に希望を聴いてから、終活に関する情報や知識を収集し、ある程度厳選してから親に提供しましょう。
実家の断捨離を手伝う
親の終活をサポートするために、自分ができる範囲で協力の申し出をしましょう。
たとえば、実家の片づけ。
引越しでもしない限り、実家のモノは増え続けて、片づけるのはかなりの重労働!
気力と体力が必要な実家の片づけを一緒に行いながら、親とコミュニケーションをとるのもオススメです。
行政手続き・法律関係の手続き
一人で手続きするのはちょっと不安。そんなとき、子どもの助けは心強いものです。これらの情報を共有していれば、専門家のサポートが必要かどうかの判断もしやくすなります。
私は葬儀社・見守りサービスの情報収集をして喜ばれました!
親子で協力し合いながら、終活を前向きに進めることで、将来に備え、不安を1つずつ取り除いていきましょう。
「終活しない親に確認すること」まとめ
- 終活がなぜ必要なのかを伝える。
- 親に確認することをまとめ、聴きやすい項目から確認してみる。
- 身近な話題から終活を切り出す。
親の終活は、私たち自身に安心感と心の余裕をもたらしてくれます。
なぜなら終活とは、人生の終わりに向けての準備で、自分や周りの人々の生活を良くするための行動を指すからです。
そして、自分らしく豊かな人生を送りたいと思った瞬間から、終活はすでに始まっています。
この記事では、「終活しない親に確認すること」について、ご紹介しました。
自分自身だけでなく、家族や周りの人々にも影響を与える終活は、誰にとっても避けて通れないテーマといえます。
親が年を重ね、病気などの理由で、子どものサポートが必要になるときが、いずれやってきます。
この記事で紹介したポイントをおさえ、お互いが豊かな人生を送れるよう、元気なうちから親と終活について話をする機会を作ってみてくださいね。
親と実践している「終活やることリスト」は、こちらで詳しく書いています!
>>【親と私の終活やることリスト10選】終活ガイドがポイントを解説!