「趣味は何ですか?」
そう聞かれると、私はいつも一瞬、言葉に詰まります。
何もしていないわけではありません。
資格の勉強をしたり、お寺や神社に行ったり、旅行をしたり。
それなのに、「これが私の趣味です」と言えるものが出てこない。

おまけに、かなり飽きっぽい(笑)。
50代になって、そろそろ「これ!」という趣味があったほうがいいのかな。
そんなことを考えていたとき、ふと、母のことを思い出しました。
母には、昔から洋裁という趣味があります。
私が子どものころは、母が作ってくれた服を着ていました。
今でも、着なくなった服や使わなくなったバッグから、ポシェットなどを作っています。



友達にプレゼントすると、喜んで使ってくれるのよ。



「私には、こういうの何もないなー」と思っていたんです。
でも、フェルメール展の《真珠の耳飾りの少女》を見に行ったことをきっかけに、少し考え方が変わりました。
50代の趣味は、無理に「探す」ものではないのかもしれません。
フェルメール展を見に行っただけなのに、「趣味って、そんなにちゃんとしたものでなくてもいいのかも」と思うようになったんです。
50代で「趣味がない」のは、おかしいこと?


「50代なのに、趣味がない」と思うと、なんとなく焦ってしまうことがあります。
でも、私自身を振り返ってみると、趣味がないというより、「趣味」と呼べるものを、自分で狭く考えていたのかもしれません。
私もいろいろやっている。でも「趣味」とは言えない
私は、「趣味がない」と思っていました。
でも、あらためて考えてみると、何もしていないわけではありません。
- 資格の勉強をする
- お寺や神社に行く
- 旅行に出かける
資格なんて、気づけば27個も取っています。
こうして並べてみると、むしろ「いろいろやってるじゃん」と思われるかもしれません。
それなのに、「趣味は何ですか?」と聞かれると、私は一瞬、言葉に詰まります。



資格の勉強です、と言うのも違う気がするな…。
かといって、寺社仏閣巡りです、と言うほど頻繁に行っているわけでもない。
旅行も好きだけれど、年に数回。「旅行が趣味です」と言い切るほどでもない。
どうやら私は、「やっていること」と「趣味」を別物として考えていたようです。
私が思っていた「趣味」は、もっとわかりやすいものだった
母を見ていると、私の中には「趣味って、こういうもの」というイメージがあったんだと思います。
長く続けていることがあって、自分で何かを作ったり、できるようになったりする。
そして、それを人に話したときに、「それが趣味なんですね」とすぐ伝わる。



そういう「これ!」と名前をつけられるものが、趣味なんだと思っていました。
だから、私のように、資格を取ったり、寺社仏閣に行ったり、旅行をしたりしていても、どれもしっくりこない。
「趣味は?」と聞かれて答えられないから、「私には趣味がない」と思っていたんです。
「一生続けられる趣味」を探さなくてもいい


ここまで書いてきて、もうひとつ思うことがあります。
私は、かなり飽きっぽいので「これから先ずっと続けられる趣味を見つけよう」と考えると、ちょっとハードルが高い。
そもそも、今までだって、いろいろ始めてはやめて…を繰り返してきました。
ジムもピラティスもリングフィットも、1年もちませんでした
運動系だけでも、スポーツジム、ピラティス、リングフィット。
一度は「やってみよう」と思って始めています。
でも、どれも続いて1年以内。



見事なまでに、全部です(笑)。
趣味を続けるには「目標を決める」「仲間をつくる」なんていう話もあります。
もちろん、それで続けられる人もいると思います。
でも、私の場合は、続かなかったものを無理に続けようとするより、「やってみたけど、今の私には合わなかった」とわかったことのほうが大きい。
一度やってみたからこそ、「これは違うな」とわかった。
そう考えると、続かなかったことも、そんなに悪いことではないのかもしれません。
ずっと好きだった《真珠の耳飾りの少女》を見てきた


今回、私が見に行ったのは、大阪中之島美術館で開催されたフェルメール展。
2026年8月21日から9月27日までの期間限定の展覧会でした。
「一生続けられる趣味」を探そうとすると、どうしても「何か新しいことを始めなきゃ」と考えてしまいます。
でも、私の場合は、新しいものを探したわけではありませんでした。
すでに好きだったものが、ひとつあったんです。



それが、フェルメールの《真珠の耳飾りの少女》です。
「見てみたい」と思ったきっかけ
この絵が好きだという話を知っていた友人が、オランダに行ったとき、たくさん写真を撮って送ってくれました。
私のために写真を撮ってくれたこともうれしかったし、実際の場所にある《真珠の耳飾りの少女》を見て、ますます「本物を見てみたい」と思うようになったんです。
それまでにも、ステッカー、キーホルダー、エコバッグ……関連のグッズをいくつか買っています。



でも、「美術鑑賞が趣味」と考えていたわけではないんです。
旅行の予定に、フェルメール展をくっつけた
ちょうどこのとき、天橋立へ行く予定があったので、フェルメール展の抽選を申し込んでみることに。
会期は1か月ちょっとありましたが、旅行の日に合わせて、夫と私、それぞれ申し込みました。
結果は、夫が第一希望の9時30分に当選!
朝イチで入れるなら、そのあとの予定にも間に合います。
「いつか見たい」と思っていたものを、旅行の予定にちょっとくっつけてみた。



そんな感じで、念願のフェルメール展へ行くことになりました。
「自分の目で見るって、こういうことか」
いよいよ、念願の《真珠の耳飾りの少女》と対面です。
最初に目がいったのは、やっぱり「瞳」でした。



眼科歴27年。これはもう、職業病ですね(笑)。
そして、目線を少しずらすと、あの真珠の耳飾り。
画面で何度も見ていた絵なのに、実物を前にすると、思っていた印象とは違いました。
まず、思っていたより絵のサイズが大きい。
そして、色も違って見える。
写真ではわからなかった、絵そのものが持っている空気感がありました。


スマホで何度も見ていたはずなのに、実物を目の前にするとぜんぜん違うんですよね。



自分の目で見るって、こういうことなんだな。
それから、会場にはミッフィーの解説もあちこちにありました。
文字の感じからすると、たぶん子ども向け。



でも、これがすごくわかりやすかったんですよね。


難しい言葉を並べるのではなく、「そういうことだったのか」とすっと入ってくる。
絵を見るだけじゃなくて、こうやって背景や意味を知るのも楽しい。
そんなことも含めて、思っていた以上にワクワクした時間でした。
あっという間の1時間。
そして、すっかりテンションが上がった私は……。



真珠の耳飾りのミッフィー、買っちゃいました。


「見てみたい」と思っていたものを、実際に見に行ってみた。



今回は、それだけのことだったんです。
50代の「趣味」と「生きがい」は同じもの?


ここまで考えてきて、ふと思いました。
そもそも、「趣味」と「生きがい」って、何が違うのかなと。
私なりに考えてみると、趣味は「自分が楽しむためのもの」。
一方で、生きがいは「これがあるから、これからも楽しみ」と思えるものなのかもしれません。
もちろん、趣味がそのまま生きがいになることもあるし、趣味とは呼べないものが、生きがいになることもある。
私の場合、フェルメールの《真珠の耳飾りの少女》は「見てみたい」と思って実際に見に行ったもの。
寺社仏閣巡りは、これから先も楽しみにしているものなんですよね。



それなら「趣味」と「生きがい」って、別々に考えてもいいのかも。
「フェルメール展を見に行った=美術鑑賞が趣味」ではない
今回、フェルメール展に行ってみて、あらためて思いました。
私は、フェルメールの《真珠の耳飾りの少女》が好き。
でも、「美術鑑賞が趣味です」と言われると、やっぱりちょっと違う気がする。
美術館にしょっちゅう行くわけでもないし、絵画について詳しいわけでもありません。
ただ、今回の《真珠の耳飾りの少女》みたいに、「これ、見てみたい」と思うものがあれば、見に行ってみる。



それで十分なんじゃないかな、と思うようになりました。
「趣味」と呼べるかどうかより、自分が「ちょっとやってみたい」「見てみたい」と思った気持ちのほうが大事なのかもしれません。
寺社仏閣巡りは、私にとって「生きがい」なのかも
そう考えると、私には「趣味」と呼んでいなかったものが、もうひとつあります。



それが、寺社仏閣巡りです。
何か月に一度と決めているわけでもないし、全国の寺社を制覇したいわけでもない。
でも、行きたいところが見つかると、ちょっとワクワクする。
御朱印帳を持って出かけたり、その場所のことを調べたり、実際にその場所に立ってみたり。
そして、いつかやってみたいと思っているのが、お遍路です。
まだ実現していないけれど、こういう「いつか行ってみたい」が、私の中にはいくつもあります。
そう考えると、寺社仏閣巡りは、私にとって「趣味」というより、これから先の楽しみなんですよね。



もしかすると、「生きがい」に近いものなのかな。
「好き」を拾っていった先に、あとから名前がつく
こうして考えてみると、「趣味を見つけなきゃ」と思っていたこと自体が、ちょっと違ったのかもしれません。
「やってみたい」
「見てみたい」
「行ってみたい」
そんな小さな「好き」を、そのときどきで拾っていく。
それが何度も続いて、気づいたら「これが私の趣味なんだ」と思う日が来るのかもしれません。
あるいは、趣味という名前がつかなくてもいい。



「これを楽しみに、もう少し頑張ろう」と思えるものがあれば、それで十分。
私の場合、それが《真珠の耳飾りの少女》だったり、寺社仏閣だったり。
これから先、また別の「好き」が見つかるかもしれません。
だから今は、無理に「これが趣味!」と決めなくてもいいと思い始めています。
趣味も、生きがいも、あとからついてくる。
50代の趣味・生きがいについてよくある質問
まとめ|50代の趣味は、無理に探さなくてもいい
今回、フェルメール展を見に行ってみて、少し考え方が変わりました。
「やってみたい」「見てみたい」「行ってみたい」。



そんな気持ちを、そのままにしないで、ひとつずつ拾っていく。
それが続けば、いつか「これが趣味」と呼べるものになるかもしれないし、趣味という名前がつかなくても、自分にとって大切な時間になることもあります。
私にとっての《真珠の耳飾りの少女》も、寺社仏閣巡りも、最初から「趣味」や「生きがい」として始めたものではありませんでした。
だから、50代になったからといって、焦って「一生続けられる趣味」を探さなくてもいい。
好きなものを、好きなときに、少しずつ。
その先で、趣味や生きがいに名前がつくのかもしれません。



ちなみに、今回のフェルメール展は、旅ノートにも残しました。


▶ 50代の旅ノートは「貼るだけ」でいい|不器用さんでも続く100均トラベルジャーナル術


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