親が施設に入った後の実家はどうする?「売る=親不孝」ではない資産活用法

【PR】本記事にはアフィリエイト広告を含みますが、筆者が実際に体験したものや、取材・調査した内容をもとに、読者にとって本当に役立つ情報だけを厳選してご紹介しています。

「親が施設に入ったら、実家はどうすればいいんだろう」

深夜にふとスマホで検索して、この記事にたどり着いた方もいるかもしれません。

77歳の母は一人暮らし。がんサバイバーで要支援1。体には少し不安があるけれど、「大丈夫よ、心配しないで」が口癖の、気丈な母です。

2022年に父を新型コロナで突然亡くしました。入院中に感染して、わずか1週間でした。

親孝行は、生きているうちにしかできない。あの時、思い知りました。

だからこそ、母のことでは後悔したくない。それが「いつか来る施設探し」を考え始めたきっかけです。

でも、頭の片隅にはずっとあるんです。「そのとき、あの家はどうなるんだろう」と。

この記事を書いている私は、不動産の専門家ではありません。ただ、祖父が不動産屋、父が建築設計事務所と不動産業を営んでいた家庭で育ちました。

不動産が「日常の言葉」だった環境です。

そして今は医療従事者歴26年、FP(ファイナンシャルプランナー)、ケアマネジャー、終活ガイド1級の資格を持つ、「あなたと同じ、介護家族」です。

これまで、眼科で高齢の患者さんやそのご家族と接する中で、介護やお金の悩みをたくさん聞いてきました。

そして今、自分自身が同じ悩みを持つ一人になっている。そんな私が、同じ道を歩く方のためにまとめた記事です。

最後まで読み終わる頃には、実家を「売る・貸す・残す」の判断基準、知らないと損する税金の話、そして一番難しい「親やきょうだいとの向き合い方」まで、「まず何をすればいいか」が見えてくるはずです。

完璧じゃなくていいんです。まずは、「知ること」から始めてみませんか?

目次

親が施設に入ったら実家はどうなる?放置した場合のリアルなリスク

最初にお伝えしたいのは、「とりあえず何もしない」が一番お金がかかるということです。

「まだ先の話だし」「今は自分の生活で手一杯だし」

その気持ちは痛いほどわかります。

私自身、父を亡くしたことをきっかけに母の見守り体制を整え始めましたが、それだけで精一杯でした。実家のことなんて考える余裕はなかったんです。

でも、空き家になった実家は、何もしなくてもお金を食い続ける。しかも、放置する期間が長くなるほど、選択肢は狭くなっていきます。

実家の維持費は年間20〜50万円?「誰も住まない家」にかかる費用の内訳

誰も住んでいない家でも、毎年確実にかかる費用があります。

おおまかに整理すると、その内訳は以下の通りです。

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費用項目年間の目安
固定資産税・都市計画税約10万〜15万円
火災保険・地震保険約4万〜11万円
電気・水道の基本料金約3万円
空き家管理サービス(遠方の場合)約6万〜12万円
修繕・草刈り・交通費など数万〜数十万円
合計約20万〜50万円以上

親の介護費用に加えて、空き家の維持費が年間数十万円。

正直に言うと、この数字を初めて計算した時、思わず電卓を二度見しました。

しかも遠方に住んでいると、管理のために帰省するだけで交通費がかさみます。「お金も時間も、もっと母のために使いたいのに」と感じている方も多いはずです。

固定資産税が上がることも?「特定空き家」と2023年法改正の注意点

まず、知っていただきたいのはコレ!空き家を長く放置すると、税金が高くなることがあります

「空家等対策の推進に関する特別措置法」では、倒壊の危険がある、衛生上よくない、景観を大きく損なうなどの状態にある空き家を「特定空き家」としています。

「もう周囲に害が出ている」か「そのおそれが高い」段階の空き家です。

特定空き家に指定されると、住宅用地の特例が使えなくなり、固定資産税が上がる場合があります。

また、2023年の法改正で「管理不全空き家」という区分もできました。これは、特定空き家ほど悪化していなくても、管理が不十分な空き家が対象になる制度です。

「このままだと危ない」段階の空き家です。

放置を続けると、税の優遇が外れる可能性があるため注意が必要です。

総務省の調査によると、全国の空き家数は900万2千戸で過去最多。2023年の確報では、空き家率は13.8%でした(総務省「住宅・土地統計調査」2023年)。

空き家って、これからも増え続けていきますよね。

「いつか売ればいい」は危険?空き家を放置すると起こりやすいこと

人が住まなくなった家は、思った以上に早く傷みます。

換気をしないと湿気がこもり、カビや腐食が進みやすくなります。庭の草木も伸びやすくなり、見た目が悪くなるだけでなく、近所への迷惑につながることもあります。

水道管や設備も使わないままだと劣化しやすく、空き巣などの被害リスクも高まります。

さらに、建物の価値は時間とともに下がりやすいです。特に木造住宅は、築年数が経つほど売りにくくなることがあります。

「そのうち売ろう」と考えているうちに、売却しやすさや価格が下がってしまうこともあります。

だからこそ、空き家は早めの対応が大切なんですね。

実家を「売る・貸す・残す」?後悔しないための5つの選択肢を比較

放置のリスクがわかったところで、次は「じゃあ、どうすればいいの?」ですよね。

実家の扱い方は、大きく分けて5つ。どれが正解かは家庭によって違います。

まずは全体像を知るところから始めましょう。

①【売却】介護費用に充てられる一番シンプルな解決策

親が施設から戻る見込みが低く、きょうだいの誰も住まないなら、売却が一番シンプルで現実的です。

売却代金は親の施設費用や医療費に充てられます。維持費・固定資産税の負担からも解放される。相続時にきょうだい間で「実家どうする?」と揉めるリスクも減ります。

ただし、デメリットもあります。

親にとって「帰る場所がなくなる」ということ。ここが最大のハードルです(このあと詳しく触れますね)。

②【賃貸】家を残しながら収入を得る方法と注意点

「売るのは忍びない。でも空き家のままもリスクがある」

そんな方には、賃貸に出すという方法もあります。

家賃収入が施設費用の足しになりますし、人が住むことで建物の維持にもなる。「やっぱり売ろう」と方針を変えることもできます。

ただし、借り手がつかないリスクは無視できません。

特に地方や駅から遠い立地だと、リフォームにお金をかけても空室のまま……というケースは珍しくないんです。

賃貸にする場合は「定期借家契約」がおすすめです。

普通の賃貸契約だと、借りている人の権利が強いので、「やっぱり売りたい」と思っても簡単には出ていってもらえません。

期間を決めて貸す「定期借家契約」にしておけば、将来の方針変更にも対応しやすくなります。

知っておきたい「定期借家契約」と「普通借家契約」の違い

賃貸契約には大きく分けて2つの種類があります。実家を貸すなら、「定期借家(ていきしゃっか)」が断然おすすめです。

  • 普通借家契約(一般的)
    • 入居者が「更新したい」と言えば、正当な理由がない限り拒否できません。
    • 将来「やっぱり家を売りたい」「自分が住みたい」と思っても、立ち退いてもらうのが非常に困難です。
  • 定期借家契約(おすすめ!
    • 契約期間(例:2年、5年)が終われば、確実に契約が終了します。
    • 「数年だけ貸して、その後は売却する」といった柔軟な計画が立てやすくなります。

比較表でチェック!

項目普通借家契約定期借家契約
契約の更新あり(自動更新が基本なし(期間満了で終了
家賃の設定相場通り相場より少し安くなる傾向
中途解約特約があれば可能原則不可(特約で設定可能)
終了の通知不要期間満了の1年前〜6か月前に通知が必要

③【空き家管理】「とりあえず残す」なら期限を決めるべき理由

施設に馴染めず退去する方もゼロではありません。

万が一、母が帰りたいと言ったら」。その可能性を考えると、すぐには手放せない気持ち、よくわかります。

先ほどお伝えした通り、空き家の維持には年間20万〜50万円。5年で100万〜250万円。しかもその間、建物の価値は下がり続けます。

もし維持を選ぶなら、いつまで維持するか」の期限を家族で決めておくこと。

期限のない維持は、ずるずると放置になりやすいです。

④【資金活用】リバースモーゲージとリースバックの違い

「家は残したいけど、お金も必要」。そんな矛盾を解決する仕組みもあります。

リバースモーゲージとは「家を担保にお金を借りて、亡くなった後に家を売って返す」仕組みです。住み続けながらお金が手に入るのがメリット。

一方で、リースバック「家を売った後、そのまま借りて住み続ける」仕組み。売却代金がまとまって入るけど、毎月家賃がかかります。

どちらも使える地域が限られていたり、金利変動リスクがあったりするので、検討する場合は必ず複数社を比較してくださいね。

⑤【子世代の居住】「自分が住む」を選択する際の3つのハードル

きょうだいの誰かが住めば、空き家問題は解決。家族の思い出も守れます。

……でも、現実的にはこんなハードルがあります。

  • 実家が職場や子供の学校から遠い
  • リフォームに数百万円かかる
  • 配偶者の同意が得られない

「住める距離か」「住みたいか」「家族全員が同意しているか」

この3つが全部YESでないなら、無理に選ぶ必要はありません。

【判断チェックリスト】5つの質問でわかる「わが家に最適な実家の活用法」

「選択肢が多すぎて、どれがいいのかわからない!」

そんな方のために、簡単なチェックリストを作りました。

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質問はいいいえ
Q1. 親が施設から自宅に戻る可能性はある?→ 維持 or 賃貸→ 売却を検討
Q2. 施設費用の支払いに不安がある?→ 売却 or リバースモーゲージ→ 急がなくてOK
Q3. 実家は賃貸需要のあるエリア?→ 賃貸も選択肢に→ 売却 or 維持
Q4. きょうだいの中に住みたい人はいる?→ 子世代が住む→ 他の選択肢へ
Q5. 定期的に管理できる人はいる?→ 維持も可能→ 売却 or 賃貸

全部「いいえ」なら、売却を軸に考えるのが現実的です。

でも焦らなくて大丈夫。大事なのは「選択肢を知った上で、家族で話し合うこと」です。

え、こんなに選択肢あるの?売るか残すかの二択だと思ってた……。

私も最初はそうだったよ。でも選択肢を知ってるだけで、話し合いが変わるよね。

知らないと数百万円の損!実家の売却で押さえておきたいお金の話

実家をどうするか考える上で、避けて通れないのがお金の話です。

「税金のことなんてよくわからない」「お金の話は苦手」

そう思う方も多いはず。でも、ここを知らないまま判断すると、文字通り数百万円の損をする可能性があります。

FPとして、ここだけは読み飛ばさないでほしいです。

最大600万円の節税!「3,000万円特別控除」の期限と注意点

親が住まなくなってから3年目の12月31日までに売却すれば、利益のうち最大3,000万円まで税金がかかりません。

……つまり、どういうこと?

カンタンに言うと、「家を売って出た利益のうち3,000万円までは税金ゼロ」になる制度です。たとえば利益が2,500万円なら、税金はかかりません。

正式には「居住用財産を譲渡した場合の3,000万円の特別控除の特例」といいます。

では、具体例で見てみましょう。

具体例

親が2024年4月に施設に入所した場合
→ タイムリミットは2027年12月31日

親が2025年1月に施設に入所した場合
→ タイムリミットは2028年12月31日

この特例を使えるかどうかで、最大で約600万円の税金差が生まれます。

600万円あれば、有料老人ホームの入居一時金を払えるケースもあるんです。

「3年なんてあっという間だよ」と、FP仲間に言われたことがあります。施設探し、入所手続き、生活の安定……気づいたら1年、2年と過ぎていく。

期限を過ぎると控除が使えませので、要注意です!

認知症だと売れない!?親名義の家を売却する3つの手続き(代理・後見・信託)

実家は親名義のケースがほとんどです。

親に代わって子供が売るには、法的な手続きが必要で、状況に応じて3つの方法があります。

①委任状による代理売却(親の判断能力がある場合)

親が「売っていいよ」と判断できる状態なら、委任状を作って子供が代理で売却できます。実印・印鑑証明・本人確認書類が必要です。

②成年後見制度(親が認知症の場合)

成年後見制度って何?

カンタンに言うと、認知症などで自分で判断できなくなった人の代わりに、財産を管理する人を裁判所に決めてもらう制度です。

ただし、注意点がいくつかあります。

  • 申立てから決定まで2〜6か月かかる
  • 家の売却には裁判所の許可が別途必要
  • 「売る理由」がないと許可が下りないこともある
  • 後見人への報酬(月2万〜6万円くらい)がずっとかかる

つまり、認知症になってからでは、売りたくてもすぐには売れないんです。

③家族信託(元気なうちにできる最善の備え)

家族信託って何?

カンタンに言うと、「親が元気なうちに、家の管理を子供に任せる契約を結んでおく」仕組みです。

これをやっておけば、もし親が認知症になっても、子供の判断で家を売ることができます。成年後見制度のような時間も手間もかからない。

ただし、親が認知症になってからでは契約できません。

医療の現場で働いてきて痛感しますが、認知症は「ある日突然」ではなく「気づいた時には進んでいた」というケースも少なくありません。

そんな難しい手続き、お母さんにはわからないわよ……。

大丈夫だよ、プロが全部説明してくれるから。

「家族信託に興味はあるけど、何から始めればいいかわからない」という方は、認知症による資産凍結から親を守るための家族信託専門サービス「おやとこ無料相談してみるのもおすすめ。

家族信託の仕組みや費用について、専門のスタッフが丁寧に説明してくれますよ。

「売値=手取り」ではない?売却にかかる諸費用リスト

「実家を売ったお金で施設費用を準備しよう」と考える方は多いですが、売れた金額がまるまる手元に残るわけではありません

費用項目費用の目安
仲介手数料売却価格×3%+6万円+消費税(400万円超の場合の上限)
譲渡所得税・住民税特別控除後利益×20.315%
(所有5年超:所得税15%+住民税5%+復興特別所得税0.315%)
登記費用(抵当権抹消等)登録免許税1,000〜2,000円+司法書士報酬1〜3万円
測量費用(必要な場合)30〜50万円(宅地100〜200㎡の確定測量相場)
残置物撤去・片付け費用20〜60万円(戸建て2〜3LDKの標準相場)

もし2,000万円で売れたとしても、手数料や片付け、税金などを引くと、手元に残るのは1,700万〜1,800万円くらいになることもあります。

え、そんなに引かれるの……。

そうなの、思ったより残らないんだよね。

でも逆に言えば、事前にこの費用感を知っておけば、資金計画が立てやすくなる。知っているか知らないかで、判断の精度はまるで違います。

実家の状況によって費用は変わりますので、不動産会社や税理士さんに相談してみてくださいね。

空き家の買取に特化したラクウルのような、ネットから相談できるサービスもあります。

一番の壁は「家族の心」。親への切り出し方ときょうだいへの対処法

ここまでお金と制度の話をしてきました。

でも正直に言うと、実家の問題で一番難しいのは「お金」でも「手続き」でもなく、「家族の気持ち」です。

親をどう説得するか。協力しないきょうだいをどう巻き込むか。そして、自分自身の罪悪感とどう向き合うか。

ここに触れないまま「売却がおすすめです」と言うのは、無責任だと思うんです。

「この家を売りたくない」——親の気持ちを理解する

親にとって実家は、ただの不動産ではありません。

子供を育て、家族の歴史を刻んできた場所。

入院中の患者さんの検査をするときに「もう自宅では暮らせないから退院したら施設に入ることになった」と悲しそうに話す姿を、何度も見てきました。

家を売るということは、親にとって「自分の人生の一部を手放す」のに近い感覚なんです。

まだ帰れるかもしれないのに……。あの家には思い出がたくさんあるのよ。

その気持ちわかるよ。だからすぐに「売る」とは言わないから。

「売る」は禁句?親に実家の話を切り出す3つのコミュニケーション術

「売る」という言葉から入ってはいけません。

私自身、母に見守りサービスを提案した時に大失敗した経験があります。

良かれと思って「カメラをつけよう」と言ったら、「監視されてるみたい」と即拒否。あの時の母の表情が曇ったのを見て、言葉を失いました。

でも、伝え方を変えたら受け入れてもらえたんです。その経験から学んだ3つのコツをお伝えします。

STEP
「売る」話から入らない

いきなり「実家を売ろうと思うんだけど」は絶対NG。まずは「お家の管理が大変で、草も伸びてきちゃって……」「固定資産税、結構かかるんだね」など、困りごとや事実から切り出すのがポイントです。

STEP
「あなたのため」ではなく「私たちが困っている」と伝える

「お母さんのために」と言われると、親は「私のせいで」と受け取ります。そうじゃなくて、「私たちが遠くにいて管理できなくて困ってる」「空き家のまま放っておくのが心配で」と、子供側の困りごととして伝える。

見守りサービスの時も「私たちが安心するために付けさせて」と伝えたら、母は受け入れてくれました。

STEP
結論を急がない。何回かに分けて話す

一回の会話で決めようとしない。初回は「こういうことを考え始めてるんだけど」と種をまくだけでOK。2回目に「こんな選択肢があるみたいだよ」。3回目に「お母さんはどうしたい?」。親が自分で考える時間を作ることが大切です。

協力しないきょうだいを巻き込むコツ「数字で見せて一人で抱えない」

実家の問題を抱える方の多くが、きょうだいとの温度差に悩んでいます。

「忙しいから」「よくわからないし」「姉ちゃんが調べてくれてるなら、それでいいんじゃない?」

うちの弟もそうでした。悪気はないんです。でも情報収集も判断も一人で背負うことになる。その孤独感は、経験した人にしかわからないと思います。

え、そんなにお金かかるの?まだ先の話でしょ。

元気な今だからこそ準備できることがあるの。一緒に考えてほしいな。

きょうだいが協力してくれないのは、「関心がない」のではなく「どうしていいかわからない」ことが多いんです。巻き込み方にはコツがあります。

  • 丸投げではなく選択肢を見せる:「AとBどっちがいいと思う?」と聞くだけでOK
  • 「家族会議」の日程を先に決める:「来月の○日、30分だけ話せない?」と日程を決めてしまう。人は日程が決まると動きやすい
  • 費用を数字で見せる:「空き家の維持で年間○○万円かかってるんだよね」と具体的な数字を見せる。数字は感情より響くことがある
  • 「一人じゃ無理」と正直に伝える:遠慮は禁物。限界を言った方が、結果的にきょうだいも動きやすくなる

【保存版】施設入所が決まったら進める「実家の整理」リスト

「で、結局まず何をすればいいの?」

ここまで読んで、そう思った方もいるでしょう。

やるべきことを時系列で整理しました。全部を一度にやる必要はありません。

「今どのフェーズにいるか」を確認して、一つずつ進めればOKです。

【すぐに実行】施設入所前〜直後に確認すべき重要書類と親の意思

STEP
親の気持ちを聞く

「実家をどうしたい?」と直球で聞くのではなく、「お家のことで困ってることない?」と柔らかく。「3つのコツ」を参考にしてくださいね。

STEP
貴重品・重要書類を確認・保管する

権利証、固定資産税の通知書、火災保険証書、通帳、年金手帳など。コピーを手元に保管しておくと安心です。

STEP
実家の現状を把握する

築年数、ローン残債の有無、固定資産税額、建物の状態。「うちの家って今いくらくらいなんだろう?」を把握しておくだけで、後の判断がグッとラクになります。

STEP
きょうだいに声をかける

「実家のことで一度話し合いたい」と伝える。結論はまだ求めなくてOK。「考え始めてるよ」と共有するだけで十分です。

【3か月以内】家族会議の開き方と方針決定の進め方

STEP
家族会議を開く

大げさに考えなくて大丈夫。LINEのグループ通話でも、帰省のついでの30分でもOKです。話し合うべきことは以下の5つ。

  • 実家の方向性:売る・貸す・維持する、どの方向で動く?(「売る方向で考えてみる」程度でOK)
  • 費用負担の分担:維持費・片付け代・売却諸経費を誰がどう出す?(ここを曖昧にすると後で必ず揉めます)
  • 片付けの分担:誰が何を担当する?業者に頼む場合の費用分担も含めて
  • 親への切り出し方:誰がいつ話す?きょうだいの中で一番話しやすい人が担当するのが自然
  • 認知症への備え:家族信託や任意後見の検討。親が元気なうちにしかできないことを確認

全部を一度に決める必要はありません。「次はいつ話す?」と次回の日程を決めるだけでも、大きな一歩です。

STEP
不動産会社に査定を依頼する

売る・売らないは別として、今の実家の価値」を知っておくことが大切。査定は無料の会社がほとんどです。

いざという時に親の医療費や介護費用に充てるための資金がいくらあるのか、把握しておくだけで安心感がまるで違います。

STEP
税理士・FP・司法書士に相談する

3,000万円特別控除が使えるか、家族信託は必要か、相続税の見通しなど。自治体の無料相談会を活用するのも手です。

【1年以内】不用品の片付け・不動産査定で具体的に動く

方針が決まったら、いよいよ実行です。

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方針やること
売却不動産会社との媒介契約、片付け・残置物撤去、内覧対応
賃貸リフォーム・修繕の見積り、管理会社の選定、定期借家契約
維持空き家管理サービスの契約、定期的な通風・通水の手配

片付けは想像以上に大変です。業者に頼むと一戸建てで20万〜60万円が目安。「自分たちでやろう」と思っても、何か月もかかるケースは多いので、最初からプロに頼むのもアリです。

ただ、片付け業界は悪徳業者も多く、国民生活センターには国民生活センターには年間2,000件を超える相談が届いています。不当な高額請求や不法投棄といったトラブルも…。

「どの業者に頼めばいいかわからない」という方には、空き家片付けや生前整理にも対応した一括見積もりサービスみんなの遺品整理があります。

遺品整理士認定協会と提携し、厳しい審査を通過した優良業者のみを掲載。

相見積もりができるので、適正価格で安心して依頼できますよ。

【絶対忘れないで】3,000万円特別控除の期限管理

繰り返しになりますが、この期限だけは絶対に忘れないでください。

親が住まなくなった日から3年目の12月31日まで。

スマホのカレンダーに期限日を登録して、1年前・半年前・3か月前にリマインダーを設定

地味ですが、これが一番確実です。

「いつかやる」は「やらない」と同じ。期限が来てから「しまった」と思っても、600万円は戻ってきません。

施設費用はいくら必要?実家を「介護資金」に変える賢い考え方

ここまで「実家をどうするか」を中心にお話ししてきました。

でもそもそも、なぜ実家の資産活用を考える必要があるのか。その背景にある「施設費用のリアル」にも触れておきたいと思います。

ここから先は、医療従事者+ケアマネ+FPの視点でお話ししますね。

老人ホームの費用相場|月額30万円を超えるケースも?

老人ホームと一口に言っても、種類によって費用はかなり違います。

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施設の種類入居一時金月額費用の目安
特別養護老人ホーム(特養)なし約5万〜15万円
介護付き有料老人ホーム0〜数百万円約15万〜30万円
サービス付き高齢者向け住宅0〜数十万円約10万〜20万円
グループホーム0〜数十万円約12万〜18万円

費用が比較的安い特養は人気が高く、入所待ちが数か月〜数年ということも珍しくありません。

実は最近、職場の同僚のお母さんが有料老人ホームに入所したのですが、月額がなんと約40万円と聞いて衝撃を受けました。

上の表はあくまで「目安」。立地や介護度、個室の広さ、医療ケアの有無によっては、上限を大きく超えることもあるんです。

「うちの母の時は大丈夫なんだろうか」…正直、他人事ではなくなりました。

26年間医療の現場にいて、ケアマネの資格も取って、施設の種類や介護保険の仕組みはそれなりに知っているはずの私でさえ、「自分の親のこと」となると話は別

もし施設探しでつまずいている方がいたら、老人ホームの検索サイトを活用するのも一つの手です。

私が調べた人気検索サイトの比較をまとめた記事もありますので、参考にしてみてくださいね。

【ケアマネ視点で整理】老人ホーム検索サイト徹底比較│みんなの介護vsシニアのあんしん相談室

年金だけで足りる?毎月の不足額を補う4つの方法

厚生年金の平均受給額は月約14万円。国民年金のみなら平均で月約5.6万円です(厚生労働省「令和4年度厚生年金保険・国民年金事業の概況」)。

仮に月額15万円の施設に入った場合、

  • 厚生年金 → ギリギリ
  • 国民年金のみ → 毎月約9万円の赤字

この不足分をどうやって補うかが、多くの家庭にとって切実な問題です。

  • 親の預貯金を取り崩す
  • 実家を売却して資金に充てる
  • リバースモーゲージで自宅を担保に借り入れる
  • 子供が不足分を仕送りする

介護の平均期間は約5年。月8万円の赤字が5年続けば約480万円の不足。介護期間が長くなったり、介護度が上がればさらに増える可能性もあるんです。

医療の現場で、これまでたくさんのご家族を見てきましたが、親のために無理をした結果、自分の生活が破綻してしまうケースも。

「できるだけ親のお金(資産)で、親の介護をする」

この考え方は冷たいどころか、医療系FPとして一番伝えたいことです。

「実家を売る=親不孝」とは限らない。

もしそう思っているなら、少しだけ視点を変えてみてください。

実家を売ることは、「思い出を捨てること」ではなく、「親の生活を支えるために資産を活用すること」です。

終活ガイドとして多くの方の話を聞いてきましたが、実際に売却した方のほとんどが「思い出は心の中にある。家がなくなっても、家族の絆はなくならない」とおっしゃいます。

実家の問題を考える時、「お金」「気持ち」「手続き」の3つに分けると整理しやすくなります。

  • お金:実家の資産価値は?施設費用は?差額は?
  • 気持ち:親はどう思ってる?自分は?きょうだいは?
  • 手続き:いつまでに何をする?誰に相談する?

3つが混ざるとパニックになります。でも分けて考えると、意外と整理がつくんです。

家を売ることは、親不孝じゃない。親の暮らしを守るための「資産活用」ですね。

親は「まだ元気だから大丈夫」の今こそやっておくべきこと

「うちの親はまだ元気だから、施設の話はまだ先かな」

そう思った方もいるかもしれません。

私の母は77歳で要支援1。デイサービスに通っていますが、今はまだ一人で暮らせている。

でも、「まだ大丈夫」と「ずっと大丈夫」はまったく違います

親が元気なうちに話しておきたい3つのテーマ

いきなり「施設」「売却」と切り出す必要はありません。もっと手前から、少しずつでOKです。

  • 実家をどうしたいか:「もしもの時、家はどうしたい?」と聞くだけでいい。答えが出なくても、考えるきっかけになる
  • お金の管理:通帳・保険・年金の状況を把握しておく。認知症になってからでは確認が困難に
  • 万が一の備え:家族信託・任意後見・エンディングノート。「まだ早い」と思った時が、実はちょうどいいタイミング

家族信託は「聞いたことはあるけど、よくわからない」という方が大半です。

そんな方には、家族信託を専門に扱うおやとこの無料相談がわかりやすいです。「うちの場合は必要なの?」という段階から相談できるので、まず話を聞いてみるだけでも頭が整理されますよ。

離れて暮らす親に、こうした話題を切り出すのは勇気がいります。「縁起でもない」と怒られるかもしれない。

でも、後から「あの時話しておけばよかった」と後悔するよりずっといい。

2022年、父がコロナに感染してわずか1週間で亡くなった時、「もっと話しておけばよかった」という大“後悔”時代を嫌というほど味わいました。

だから母のことでは、同じ思いをしたくないんです。

失敗しないために、まずは「実家の今の価値」を把握する

親にいきなり話を切り出すのが難しいなら、まず自分でできることから始めましょう

実家がいくらで売れるのか、おおよその相場を調べておくんです。

「査定=売却」ではありません。あくまで「現状把握」です。

不動産屋の家で育った私にとって、査定は「家の健康診断」のようなもの。売るかどうかは、結果を見てから考えればいい。

でもこの一歩は、想像以上に大きい。

実家の価値を知っておくことで、「いざとなったら売って、親の医療費や介護費用に充てられる」という安心材料が手に入るからです。

「母の介護費用が足りなくなったらどうしよう」。その漠然とした不安の正体は、「対策を何も持っていないこと」。実家の資産価値を知るだけで、不安の輪郭がハッキリして、選択肢が見えてきます。

私が働いている眼科の患者さんには高齢の方が多く、検査中に介護や家の話になることがよくあります。

ある患者さんが「娘に言われて査定してみたんだけど、金額がわかっただけで気持ちがラクになったのよ」とおっしゃっていたのが、とても印象に残っています。

売る・売らないは関係なく、「数字がわかると、漠然とした不安が”具体的な選択肢”に変わる」

これは多くの方の話を聞く中でも実感していることです。

「不動産屋に連絡するのはハードルが高い」という方には、空き家の買取に特化したラクウルのような、ネットから相談できるサービスもあります。

仲介手数料がかからない自社買取で、片付けから手続きまでワンストップ対応。忙しい方や遠方の方にとっては、最初の一歩を踏み出しやすい選択肢です。

完璧を求めない!70点の行動が親と自分の未来を守る

税金のこと、法律のこと、親の気持ち、きょうだいの協力……考えることが多すぎて、結局何もできずに時間だけが過ぎていく。私自身、何度もそのループにはまりました。

でもある時、気づいたんです。「完璧な正解を探している間に、3,000万円控除の期限が来たら元も子もない」と。

だから、まずこの3つだけやってみてください。

  • 親の気持ちを聞く:「家のこと、どうしたい?」と一言だけ
  • 実家の価値を調べる:無料査定で現状把握。売る・売らないは後で決めればいい
  • きょうだいに共有する:「こんなことを調べたよ」とLINEを一通送るだけ

この3つができたら、もう「何もしていない状態」からは抜け出せていますよ。

親が施設に入った後の「実家」どうする?よくあるお悩みQ&A

親が施設を嫌がっています。実家の話はいつ切り出せばいい?

まずは新生活に慣れるまで1〜3か月待ちましょう。 施設と実家の話を同時にしないのが鉄則です。落ち着いた頃に「空き家の管理が心配で……」と、親のためではなく「子供側の悩み」として相談するのがコツです。

きょうだいが売却に反対しています。どうすればいい?

感情論ではなく「具体的な維持費」を数字で見せるのが一番です。 「思い出があるから」という反対に対し、「空き家を維持するだけで年間〇〇万円かかる」という現実を共有しましょう。数字を見ると、家族も「放置はリスクだ」と気づき、一緒に考えてくれるようになるかもしれません。

認知症になった親の家を、子供が勝手に売ることはできる?

できません。判断能力がないと「資産凍結」となり、売却には非常に時間がかかります。 売却には成年後見人の選任や裁判所の許可が必要になります。医療現場でも「手遅れ」になるご家族を多く見てきました。親が元気なうちに「家族信託」を検討しておくことが、将来の備えになります。

実家の片付けはいつから始めるのがベスト?

「売る・貸す・残す」の方向性が決まり、親の了承を得てからにしましょう。
勝手に進めると、親は「居場所を奪われた」と深く傷つきます。まずは通帳や権利証などの重要書類の確認から、少しずつ進めるのが安心です。

実家の売却は「生前」と「相続後」どっちがお得?

節税面では、生前(または空き家後3年以内)の売却が有利なケースが多いです。 「3,000万円特別控除」を使える期限は、住まなくなってから3年目の12月末まで。この期限を逆算して動き出すことをおすすめしています。とはいえ、個別の状況によるので、一度プロに相談してみてくださいね。

施設費用が足りなくなりそうで不安です。目安はどのくらい?

月10万〜30万円が目安ですが、手厚い施設だと40万円を超えることも。 「親の年金 +(預貯金 ÷ 想定年数)」で予算を出し、足りない分を実家の売却益で補うのが最も現実的です。自分たちの生活を壊さない資金計画を立てましょう。

親と離れて暮らしています。まず何から手をつければ?

まずは「実家が今いくらで売れるのか」を知ることから始めましょう。 売る・売らないは別として、資産価値を知るだけで、いざという時の安心感がまるで違います。ネットの無料査定を使えば、遠方にいてもスマホ一つで現状を把握できますよ。

【まとめ】親が施設に入った後の実家はどうする?売却・活用・空き家対策のポイント

ここまで読んでくださって、ありがとうございます。

長い記事でしたが、最後にポイントを整理しますね。

  • 実家の問題は「お金」「気持ち」「手続き」の3つに分けると整理しやすい
  • 3,000万円特別控除の期限(住まなくなってから3年目の12月31日)は絶対に忘れない
  • 実家の資産価値を把握しておけば、いざという時の安心材料になる

親が施設に入ったら、実家はどうすればいいんだろう」——この記事を開いた時のあなたと、今のあなたでは、きっと見える景色が少し変わっているはずです。

私の母は今日も一人で暮らしていて、「いつか来るその日」は明日かもしれないし、5年後かもしれない。

わからないからこそ、今できることを一つずつやっているところです。

あなたも、一人じゃありません。同じ道を歩いている仲間が、ここにいますよ。

一人で抱え込まずに、できることから一歩踏み出してみませんか?

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